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    さやか

    黒崎/grifith

    DONE本日はアクセルさん(@Axel_L_ff14)のお誕生日との事で、ささやかながら小話をお送りいたしました。掲載許可をいただきましたので、公開させていただきます。ありがとうございます!良き一年でありますよう(*'▽'*)
    未知の先【○月X日 極ソフィア T1D2急募 遠近問わず】
    【△月○日 アレキ律動2層 全ロール 詰めパ ロットフリー】
    リンクシェルに定期的に流れてくる募集要項を見ながらザックはため息をついた。ソフィアは急募なので声をかけるとして、アレキは日程が少し遠い…ロットフリーなのはありがたいが…次に会う時までに間に合うのか…そんな事を考えながら、主催へ連絡を取る。ザックも多分に漏れずいくつかの固定に所属しているが、ここは自分が主力としているガイのリンクシェルでは無い。もっと規模が大きくメンバーは好きに募集を立てその中でパーティを組んでいく方式を取っている。基本的に出入りは自由で常時50名程度が在籍し、自分の目的の為に加入している者が多い印象だった。ルールは一つ。1ヶ月に5度リンクシェル内のパーティに参加する事。そのチェックは厳しく、無駄に在籍している者は容赦なく除名される。パーティリーダーは参加者名簿をマスターに提出する義務があり、それを元にマスターは在籍者を適宜除名、承認する仕組みになっていた。ちなみに会った事はない。軽く調べたが、どうも戦闘に関しては興味がない様でギャザラーやクラフターが専門の様だった。稀にマスターからのPT募集が立つが、報酬付きの素材集めと言った所だ。当然本人は参加しない。多分そのための大規模リンクシェルなのだろう。程のいい傭兵だが、悪い気はしないし、それなりに戦闘スキルが高い者が所属しているだけあって、クリアできない事が殆どないので、重宝している。今月の参加ノルマは終わっているが、同業のアウラ族の男と取り引きした手前どこかで素材を取ってくる必要があった。アクセルと名乗った彼とは、良くある同業同士の気遣いの域を出ないと思っていた予想を良い意味で裏切り、例の一件の翌日には再開する事になった。隊舎や石の家でも見かければ目が合い、ついに先日、呪術ギルドの仕事まで持ってきた。面倒だと放置していたそれらの量は膨れに膨らんで、目を通す気にもならなかった。が、アクセルからの提案である程度肩代わりしてもらえることになった。ありがたい。ありがたいんだが…
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    21yua48

    DONE大好きな方へささやかな贈り物
     窓から漏れる朝日と、隣で身体を起こす衣擦れの音で目が覚めた。
     俺がまだ目が完全には開ききらなくてくずぐず目元を擦っていると、いつもなら同じくあくびを繰り返しながらぼんやりしているはずの青年から声がかかった。
    「賢者様」
    「……ん、おはようございます、ミスラ」
     いつもと違い挨拶もなく呼ばれたことを不思議に思って目を上げる。ベッドの壁側にいる赤毛の青年の視線は俺の上を通り越した向こう側にあって、「どうかしました?」首を傾げればようやくこちらへ顔を向けた。
    「俺の指輪がひとつなくなりました」
    「え、なくしちゃったんですか」
    「昨夜まではあったんですよ。そこに置いたはずが見当たりません」
     言って机を差す指の先には、ふわふわと彼がいつも身につけているアクセサリーが浮いて輪を描いている。その指をひと振りすると指輪や耳飾りはいつもの場所へと収まっていった。「ほら、ないです」右手を俺の顔の前に突き出して見せてくれたが、ミスラの装飾具は彼の気分や使用用途(呪具として都度適したものを選んでいるらしい)によってころころと変わるため、正直なところどれがなくなったのかわからなかった。
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