全く調べずに喋っている為、そもそもの『時代背景だの何だの的に成立するのか否か』からわからないので、細かい事を気にしたら死ぬぞ！の気持ちで聞き流して頂きたいのですが、私は人生のどこかで知識として「昔、チョコレートは媚薬として流通していて、その理由は『昔の日本人はカカオに馴染みがなかったので、食べるとドキドキしちゃうから』だったらしい」と言う説を聞いた事があるのですけれども、そうなるとバレンタインの中尉殿なんて上官からも部下からも(下心モリモリめな)チョコを貰いまくりなのでは？？とか思う訳です。
で、そうやって(若干邪心由来が多めの)チョコ長者となった中尉殿の元には、ogt氏が呼ばれていって欲しい。
そして山盛りのチョコを見せられて「たらしめが💢💢」になるogt氏へ、中尉殿は笑顔でチョコ片付けの手伝いを頼んで欲しい。

[虎兎]あなたがくれたもの「これ、楓から」
　朝、いつもギリギリに出社してくる虎徹さんが、何故かアポロンメディア本社ビルの入口で僕を待っていて、可憐なピンクの封筒を差し出してきた。
「楓ちゃんから？」
　何だろう……と思いながら受け取ると、それがわかったのか呆れたような声で答えが帰ってきた。
「誕生日だろ」
　封筒から出てきたのは、楓ちゃんからのバースディカードだった。小さくちぎった紙で描かれたバースディケーキ。かわいらしい手書きの文字で、『HAPPY BIRTHDAY』と記されている。
「忘れてました……」
　嬉しくて、自分でも頬が緩んでいるのがわかる。わざわざ虎徹さんに託してくれたんだ。
「忘れんなよ、誕生日なんかさ」
「別に蔑ろにしてたわけじゃないですよ。このところ忙しくて、今日だというのを失念していました」

デビュー戦は華やかといかず『今日から君も、サロン・ド・アキラの会員さ！』
　
　サロンの開催日時は会員Ｎｏ．によって変わる。
　私のＮｏ．三ｘｘの場合、毎月第三週の木曜日。
　朝起きたときの天気は快晴、これなら放課後も持つだろう。
　サロンに訪れるのはいわゆる『お嬢様』が多い、らしい。
　私は別にそういうわけじゃないけれども、せめて見た目くらいは彼女たちの中に紛れたくて慣れぬアイロンで髪を巻き、普段はまともに結ばない制服のリボンもきちんと結んで、ちょっとだけスカートを長くして。
　もちろん化粧もして目を大きめに見せて。
　よし、準備万端。
　放課後がやってくるのはあっという間だ。授業がたまにしか聞こえていなくたって問題ない。終礼が終わると、もう一度トイレに