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    なくろ

    pesenka_pero

    PROGRESSもういい加減にノスクラしたいのに、ドちゃんだけでなくロナくんまでクラさんをよしよしし始めてしまったお話の続き6。つ、次こそはノスパートですので!
    窓の外は星の海 ドラルクはツインで新横浜ヴリンスホテルの部屋を取っていたので、二枚あるカードキーの一枚を共有する形で交互に彼の様子を伺いに行く生活が始まった。宿泊しているクラージィ本人にもカードキーを与えられているが、外出している気配はまったくない。俺が訪ねる時はだいたい日が落ちる前だが、ドラルクが黒い布で目張りした窓の中で、彼はほぼずっと眠っている。ルーマニア語は日本からすればマイナーな言語なので、おそらくドラルクがじじい経由で取り寄せただろう語学書で日本語の勉強をしていることもある。俺が顔を出すと、眠たげな顔で笑いかけてくれる。

    「イラッシャイマセ、ロナルドサン。」

    「こんにちは、でいいですよ。」

     昼間には外出できないドラルクに託されたスープジャーのホットミルクを差し出して、彼の日本語勉強に、俺のできる限りではあるが少しだけ手伝う。正直俺よりもひらがなを綺麗に書けるようになってきたな。真面目な人なのだろう。そのうちシンヨコ案内してあげたいとは思うのだが、案内できるとこあったっけ? 横アリのコンサートとか? いや、いきなりそんなとこ連れてったら確実に卒倒するな。ジョンと一緒にわるとあんでるさんに並ぶか。この人、いや吸血鬼は、ごはんも食べられるタイプだから。現代のおいしいものをたくさん食べさせてあげたい。
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