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    なんば

    Kana_BoS

    DONEブラックコーヒー派で倉持クンにキスするのが大好きな御幸と、カフェオレ派の倉持くん。
    御幸が遠征中のお話。ナンバリング26を御倉にしたかっただけのペラペラの本。

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    2022.5.3 SUPER COMIC CITY 29 -day1-/スーパーウイニングショット 2022
    Pavlov's dog
    A6/22P/¥200
    ネット頒布:予定なし
    【御倉】Pavlov's dog【サンプル】 ぷかり。ふわり。のんびりと時間をかけて覚醒していく意識。閉じた瞼をくすぐる白を残した日差しに、ああ、もう朝なのか、と意識ははっきりとしてくる。できるものならもう少し、あと五分でいいから眠っていたい。体温が移って適温のシーツの中を蠢いて枕に顔を埋めた。すん、すん、と鼻を鳴らせば嗅ぎ慣れた匂いに気持ちも身体も脱力していく。そんな鼻腔をやわらかに刺激する香ばしい匂い。

    「くらもちー。あと三十分で家でないと遅刻するけどいいの?」
    「……はあ?」

     間延びした声。かなり暢気なそれに緊急性を察知できず、自身からも間抜けな声が溢れた。

    「今、七時半過ぎたとこ」
    「おま!」

     ゆるやかな覚醒をしていたはずの脳が一気にアクセルを踏み込んだ。腕力に任せて飛び起きた背後で、掛け布団がベッドからずり落ちた気配がしたけれど、そんなことを気にしている場合ではない。二十分以上の寝坊だ。
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    DR_yuu0202

    DONEドラマチックロマンスナンバー4!展示①
    しがふたりをわかつとも ――ロナルド君が、VRCに搬送されたとの報を受けた私は、矢も盾もたまらず、新横浜署を飛び出していた。
     一昨日の晩から「サテツたちと遊んでくる」と言って家を出たっきり、連絡がなかったことを気にはしていたが、まさかこんな連絡を受けることになるとは思わず、内心の焦燥を抑えられない。署からVRCまでは、車でたったの五分の距離だが、それでもその時間すら惜しい。
     何をしたんだ、死にたがりの君は。
     車に乗り込み、エンジンをかける。一度落ち着こうと、ハンドルに額をつけて、はあ、と肺の中から息を搾り出して、動揺で上がった拍動を落ち着ける。
     ロナルド君自身、この新横浜に馴染んで、こうして一人で出掛けることが最近増えていた。連絡手段を持たないが、新横浜市内にいればロナルド君は時々念話を送って来ることがある。私からそれに応えることは出来ない一方通行のもので、そろそろ通信機器を持たせようかと思っているのだが、十中八九どこかに落としてくるのでどうしたものかと考えあぐねていた。因みにロナルド君がそんなとんでもない能力を、事もなげに使って私に伝えてくることは大概その日の夕飯のリクエストだ。
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