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    にいな

    いかふらい

    MAIKING🦈は自分がいてもいなくても変わらないけど急にいなくなったら多少なりとも傷つくだろうし、帰れたらあっちで永住しようと思ってるから自分のことを忘れた方が🦈は幸せだろうな、と一人で勝手に結論づけた🦐と、まともに抵抗もできずに後生大事に抱えてやろうと思っていたものを奪われる🦈のはなし。(23/02/12)
    七日後には忘れてるから立つ鳥跡を濁さず
     黒と赤、それと白で統一された部屋に、ハキハキとした壮年の男の声ともう一つ、若い男――ユウの声が響いている。落ち着いた雰囲気のこの部屋で男が二人、世間話を交わしていた。部屋へと案内してくれたスタッフが、この大柄な壮年の男が店主だと教えてくれた。
     天気の話から近況といった、恐らく店主の興味を唆らない話題ばかりであるが、ゆるりと弧を描く口元から察するに気分を害してはいないらしい。うーん。ユウが巧みな話術を身に着けていたのならより楽しませられただろうが、生憎と持ち合わせているものは隣に住むおばさんと同程度のもの。これ以上を求められてもどうにもできないのだ。なんでも久しぶりの客だそうで、人と会話するだけで満ち足りるのだと店主は言った。楽しんでくれているのなら良かったと思う。
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