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    みっくす

    ytd524

    DONEリクエスト
    お題:〇〇(コミックス未収録ネタを含むため、本文末尾にて紹介)

    ※少しだけ未来のお話
    ※事変のことは考えないでください
    ※オリキャラ視点
    ※コミックス未収録ネタを含みます

    リクエストありがとうございました!楽しかったです!
     むせ返るほどの、土の匂いだった。
     会合があるからとお父さんたちに連れてこられた本家の御屋敷。でも私はまだそんな話し合いに参加できる年齢じゃないから、用意してもらった離れの御座敷に寝転がって、お父さんたちの用事が済むのをぼーっと待っていた。
     そうしたらふと、外から土の匂いが漂ってきて、私は思わず障子を開けて庭を見たのだ。からり、と音を立てて開け放たれたその先で、明るい日差しが差し込む中で、涼しい空気がすぅ、と私の隣を通り過ぎていく。
     明るい空から、さぁ、と静かな音とともに、細い糸みたいな雨が降り注いでいた。

    (お天気雨だ)

     そうか、地面が濡れたから土の匂いも強くなったんだ。理由がわかって嬉しくなるとともに、私の体は無意識に縁側の外へと滑り落ちていた。しっとりと濡れた移動用の草履に足を通して、そのまま草の上を駆けていく。大人用のサイズだからちょっとだけパカパカとうるさいけれど、それでも濡れた土の上を歩く感触は、なんだかとても心地が良かった。
     庭をまっすぐ抜けて、本邸へ続く石橋を渡って。途中で少しだけ横道にそれて、また少しだけまっすぐ。その頃にはもう雨も上がっていて、私は雨上 3833

    ytd524

    DONEくっつきくっついて、くっつきそうな話。

    ※酔っ払い五とお迎え伏
    ※酔っ払いのテンションは上がって下がってまた上がってます

    「くっつく話」「くっつきそうな話」「くっついた話」
    どれを書こうか悩んでアンケート取ったら同数一位になってしまったため全てミックスしました。
    いつも以上の雰囲気小話ですので、何も考えずにお読みください。
    「磁石ってあるじゃない」
    「ありますね」
    「あれってさぁ、S極同士N極同士は反発するけどさぁ、S極とN極ならくっつくじゃない」
    「そうですね」
    「僕はさぁ、S極なのよ。悟だから」
    「はぁ」
    「んでもって、恵はN極なの。恵のMに、ほら、Nの形が入ってるから」
    「はぁ」
    「つまりさぁ、僕と恵はさぁ、S極とN極なわけよ。どうなると思う?」
    「さぁ」
    「んふふ〜……くっつく」

     ガバァ、と音が鳴りそうな勢いで五条先生は俺の背中に覆いかぶさると、ひどく満足そうな笑い声を上げて全体重を乗せてきた。いや待ってくれ、重い。全体重はやめろ、マジで重い。

    「はぁ〜〜、これで僕たちはずっとくっついたまんま! 離れられないよ〜!」
    「あの、これシラフじゃないですよね?」
    「安心しな。間違いなく酔っ払いだ」
    「ありがとうございます、安心しました」

     そう言いながら向かいに座る家入さんは、テーブルの上に置かれた塩辛を箸でつまむ。
     アルコールの匂いに満ちた、大人の通う店だ。そこに何故未成年の俺がいるのかはお察しの通りである。誤ってコークハイを一気飲みしてしまったらしいこのご機嫌な下戸は、酔っ払っていると 2592