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    エ作

    HakurenTask

    MAIKINGタイトル未定
    弁ポエオメガバースR-18(サンプル部分は全年齢)
    4/2から発行、5/3のイベントにて現品があります。
    弁ポエ作品もっと増えてーの気持ちなのでイラスト、漫画、小説など、あなたの弁ポエ作品と交換してください!
    こちらはR-18作品となりますので成人済みの方のみの対応とさせて頂きます。
    未定その1
    「んで?金が払えないっていうのはどういうこと」
    「えっと…その…」
    応接室のソファーで肩を震わせながら言葉を濁す男を見下ろす。βの身でありながら運命の相手を探して街中でフリーハグをしていたところを補導された。そのまま告訴されて被疑者となって~ってとりあえずこの裁判は俺が勝った。それでいい。問題は、この目の前にいる松野カラ松被告が勝訴したというのにも関わらず弁護士費用を1円も払えないとぬかしやがる、そのことだ。一応、働く気はあったのかハロワには通っているようだし、まぁそれはいいとしてそもそもいい大人が貯金1円もねぇってのはどう考えても人生なめてんだろ。そんなんだからβなのに運命だのなんだのぬかすんだ。イラついてるのを見せつけるように舌打ちして大きくため息を吐く。それだけでジワリと目に涙を浮かべるのだから格好だってただの見せかけなんだろう。クールだなんだと騒ぐ髑髏の付いたらいだーすじゃけっとも、ダメージって言っていいのかって言いたくなるようなダメージジーンズも異様に胸元の空いた白いシャツもお気に入りらしいサングラスも何もかも。痛々しいっていうかなんて言うか、ワイルドでクールな男はこうだ、という意志の元選んでいるらしいが着ている本人の気質が弱すぎる。俺がちょっと不機嫌なさまを見せただけで半泣きになって、何がワイルドなんだか。
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    samuiwaks

    PAST司類です。過去作ですがEND直前の顛末を(当社比)決定的に変えました。
    書き換え作業を行ってみたら私の中でいつの間にか司類の解釈だいぶ変わったんだなと感慨深く思いました。
    【司類】終点駅はまだ来ない終点駅はまだ来ない




    「君と出会うまではね、僕は365日、ずっと水底にいるみたいだったんだ」
     ふいに口を開いた類は、隣に座る司を振り返って「そういえばね」とまるで昨日食べた夕食の献立はハンバーグだったんだと伝えるかのような気軽さで、司に向かってそう言った。
    「む?」
     司が首をひねると、まもなくドアが閉まります、ご注意ください、とのアナウンスが流れ、電車のドアが音を立てて閉まる。今回の駅でも乗り込む人は一人もいない。
    「それは……ええっと、どういう意味だ?」
     下りの電車は土曜の午後だというのに静まり返っていた。車両ごとにまばらに人がいる程度で、昨今話題のソーシャルディスタンスというものを実現している。電車が揺れ、司が両脚で挟んでいる学生鞄がそこから抜け出し、司がそれを戻そうと手を伸ばして身を乗り出せば、電車はちょうど大河の上に架けられた橋に差し掛かった。深い深い青色の水面に太陽の光が反射し、きらきらと光り輝く。
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