カナヅチ
simacafe009
DONEプールサイド・デイのカノンカナヅチ設定を流用した夏の終わりのシェアハウスカノザク小話プールサイド・レッスン──妙な時間に誘ってくるなとは思ったんだが。
夏の夜の帳は降りて、昼間は学生たちや家族連れで賑わうプールサイドの景色は変わる。
熱く絡み合う恋人たちがそこかしこにたむろし、そうでなければそうなりたい少年少女たちが出会いを求め、相手を必死に物色していたり。陽気だが、妙にねっとりした音楽が鳴り響き、薄暗い照明でもハッキリとわかる濃いめの化粧をした女達がギラギラとした視線をカノンに送る。
それに軽いウインクで答えながら、隣で呆然と、息を飲んでいる少年に目をやった。
「どうしたナイトプールとやらに誘ってきたのはお前だろうが」
「……ひ、昼間とぜんぜん、雰囲気がちがう…」
「そりゃそうだろ。デートスポットだろうしな」
4961夏の夜の帳は降りて、昼間は学生たちや家族連れで賑わうプールサイドの景色は変わる。
熱く絡み合う恋人たちがそこかしこにたむろし、そうでなければそうなりたい少年少女たちが出会いを求め、相手を必死に物色していたり。陽気だが、妙にねっとりした音楽が鳴り響き、薄暗い照明でもハッキリとわかる濃いめの化粧をした女達がギラギラとした視線をカノンに送る。
それに軽いウインクで答えながら、隣で呆然と、息を飲んでいる少年に目をやった。
「どうしたナイトプールとやらに誘ってきたのはお前だろうが」
「……ひ、昼間とぜんぜん、雰囲気がちがう…」
「そりゃそうだろ。デートスポットだろうしな」
poidf
DOODLEラグの能力は、影からぶちかましてくるタイプ。ある意味ハインさんと同じ、間接的に攻撃する形。環境とかタイミングに左右される、自力と他力のハイブリッド。ハマれば強い。けどハメるのが難しい。使いこなせなくて能力が開花しないまま、カナヅチとして一生が終わる人もきっといる。常勝神話ネタメモ切っ先が翼の隅を弾き、パラリと羽根の欠片が落ちた。反射的に距離をとったハインはポンッとウロボロス姿に戻り、尾先の硬質化した稜鱗で剣を弾く。グッと広がった瞳孔は雲間の弱々しい星明りを拾い、雨雲に陰りつつある月夜の下でも雨粒の一つ一つを視認した。対するラグ指揮官は距離を取りつつランタンの灯火を最大に、腰を落として拳を構える。
「ヨルハッドを保護したのは俺だ。俺には彼を守る責任がある。それにサボさんを守るためにも…呼びつけられたと言ってたか?まぁならこっち都合ばかりで悪いが、あんたを帰すわけにはいかない。あんた、サボさんの情報をどれだけ掴んでいる?」
「サボさんの言葉選びは、ゴアで使用されている上流階級口語〈コンカニ〉のそれに近いですね。調査したところ、同姓同名の戸籍記録がゴアに残されていますが、水難事故に遭われたとして死亡届が提出されております。戸籍主にもお話を伺いましたが、革命軍のサボさんとは面識も心当たりもないとのことです。」
3254「ヨルハッドを保護したのは俺だ。俺には彼を守る責任がある。それにサボさんを守るためにも…呼びつけられたと言ってたか?まぁならこっち都合ばかりで悪いが、あんたを帰すわけにはいかない。あんた、サボさんの情報をどれだけ掴んでいる?」
「サボさんの言葉選びは、ゴアで使用されている上流階級口語〈コンカニ〉のそれに近いですね。調査したところ、同姓同名の戸籍記録がゴアに残されていますが、水難事故に遭われたとして死亡届が提出されております。戸籍主にもお話を伺いましたが、革命軍のサボさんとは面識も心当たりもないとのことです。」
東間の保管庫
PASTカナヅチ竹谷嘆く男今さらなことかもしれないし、今頃言ってどうするつもりだと思われても仕方がない。
竹谷は目の前に置いてある一枚の紙を前にして冷や汗をだらだらかいていた。
「そろそろ年貢の納め時だ」
「木下せんせぇ…」
「情けない声を出すな。どうしても必要な事だろうが」
「ですけど…」
しょんぼりと項垂れてしまった竹谷の頭を木下はわしわしと撫でる。乱暴だけれど、痛くない手の温度に泣きそうになった。
「そんな顔をしてもほだされんぞ」
「うう…」
「お前、哀車の術も修行が必要そうだな」
「そんなんじゃないです…」
もごもごと答えると、木下はトントンとある一文を指さす。
『五年生は全員参加』
「ううう」
「お前が毎年逃げ回るからだろう。嫌いではないのだろう?」
1748竹谷は目の前に置いてある一枚の紙を前にして冷や汗をだらだらかいていた。
「そろそろ年貢の納め時だ」
「木下せんせぇ…」
「情けない声を出すな。どうしても必要な事だろうが」
「ですけど…」
しょんぼりと項垂れてしまった竹谷の頭を木下はわしわしと撫でる。乱暴だけれど、痛くない手の温度に泣きそうになった。
「そんな顔をしてもほだされんぞ」
「うう…」
「お前、哀車の術も修行が必要そうだな」
「そんなんじゃないです…」
もごもごと答えると、木下はトントンとある一文を指さす。
『五年生は全員参加』
「ううう」
「お前が毎年逃げ回るからだろう。嫌いではないのだろう?」