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    ガイ

    last_of_QED

    DOODLEディスガイア4に今更ハマりました。フェンリッヒとヴァルバトーゼ閣下(フェンヴァル?執事閣下?界隈ではどう呼称しているのでしょうか)に気持ちが爆発したため、書き散らしました。【悪魔に愛はあるのか】


    口の中、歯の一本一本を舌でなぞる。舌と舌とを絡ませ、音を立てて吸ってやる。主人を、犯している?まさか。丁寧に、陶器に触れるようぬるり舌を這わせてゆく。舌先が鋭い犬歯にあたり、吸血鬼たる証に触れたようにも思えたが、この牙が人間の血を吸うことはもうないのだろう。その悲しいまでに頑なな意思が自分には変えようのないものだと思うと、歯痒く、虚しかった。

    律儀に瞼を閉じ口付けを受け入れているのは、我が主人、ヴァルバトーゼ様。暴君の名を魔界中に轟かせたそのお方だ。400年前の出来事をきっかけに魔力を失い姿形は少々退行してしまわれたが、誇り高い魂はあの頃のまま、その胸の杭のうちに秘められている。
    そんな主人と、執事として忠誠を誓った俺はいつからか、就寝前に「戯れ」るようになっていた。
    最初は眠る前の挨拶と称して手の甲に口付けを落とす程度のものであったはずだが、なし崩し的に唇と唇が触れ合うところまで漕ぎ着けた。そこまでは、我ながら惚れ惚れするほどのスピード感だったのだが。
    ……その「戯れ」がかれこれ幾月進展しないことには苦笑する他ない。月光の牙とまで呼ばれたこの俺が一体何を 3613

    drsakosako

    TRAININGガイアアルベリヒ誕生日おめでとう
    義兄弟のおはなし カプ要素なし
    思い起こす事も億劫になる程の、昔話。
     普段こそ静寂の色が濃い屋敷だったが、屋敷の主、そしてその家族だけでなく、使用人の誰かが誕生日の時には、決まって宴会を催したものだ。幼い未成年の子がいるからという理由で、卓の上に並ぶのは、芳醇な酒と旨味のある肴ではなく、甘い果実水と花を模した砂糖菓子が乗ったとろけるような菓子だけ。それでも大人達は皆笑顔で楽しそうにしていたし、また、自分の口に運ぶ果実水や菓子の甘さに、自らも、そして彼も、顔をほころばせていた事を覚えている。
     懐古するほど昔の話ではないはずなのに、その思い出達には昏い夕日のような色がかかっているような気がした。
    「……」
     ディルックの視線が、店内――エンジェルズシェアのテーブルの隅々を辿る。本日も盛況、樽のような杯に並々を酒を注ぎ豪快に飲み干す者もいれば、透き通ったワイングラスに数口程度注がれた酒の香りを楽しむ者、はたまたシンプルながらも洗練された肴に舌鼓を打つ者まで様々だ。
     グラスを一つ磨いては戻し、ワインの在庫を確認する。仕込みを終え提供されるのを待つ肴や食材の数々の余りもついでに確認して、客入りを見つつ残りの営業時間を思案 2513