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    ダイエット

    okayu_gohan25

    DONEネロ晶♂

    ダイエットしたい晶くんとそれを阻止しにかかる悪い東の魔法使いの話。
    全部食べてねネロ・ターナーは感情を表に出さない男だ。けれど無感情というわけではなく、ただ隠すのが上手かった。まるで凪いだ海のような、木漏れ日の差す木陰で柔い風に吹かれるような、そんな心地の良い空気を作り出すのが上手かった。
    ……はずだ。
    そんな自分が苛立っていることにネロ自身気づいていた。原因もわかっている。
    「あ、ネロ……!あの、すみません…、今日もお夕飯は外で食べてくるので、俺の分は用意しなくて大丈夫です」
    先程ひょっこりとキッチンに顔を出した賢者さんに俺はいつも通り笑えていただろうか。自信がない。

    賢者が魔法舎で食事を摂らなくなった。もちろん、全くというわけではない。正確に言うならば『ネロが作った食事を摂らなくなった』だ。最初は小さな違和感で、少し外食が増えたなという程度。それが徐々に増えていき、今では夕食時には必ず街へ繰り出して行ってしまうし、朝食や昼食もネロが作ったものではなく賢者自身が作ったもので済ませてしまう。何か嫌いな食べ物でもあったかと聞いても「好き嫌いは特にありませんよ」と朗らかな笑顔を浮かべるばかりで何もわかりはしない。じゃあ何だと言うのか。
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    TRAINING10/08ワンライ
    お題【気晴らし・ダイエット】
    厄介な仕事を終えて狡噛さんの部屋をビールを持って訪ねた宜野座さんが、狡噛さんに過去について語られるお話です。
    need to be in love なんとはなしに狡噛の部屋を訪ねることはよくある。それは時に友人としてであったり、時に恋人としてであったりしたが、気晴らしを求めてということも少なくなかった。何せ彼の部屋には多くの希少な古本があり(日本語翻訳されていないものも多く読めるものは少なかったが)、紙のスリーブに入ったレコードや父が残した酒に負けないくらいのブランデー、そして今や色相悪化を理由に流通していない映画のディスクがあった。俺はそれを旧式のプレーヤーで見るのが好きだった。最新の流行映画にはない砂嵐ですら、芸術のように思えたからだ。レコードもよかった。かすかな雑音が、まるで耳のすぐ側で囁いているようだったから。
     今夜もドアを開けたら、レコードプレーヤーから耳に馴染むなめらかで軽やかな女の歌声が聞こえてきた。三オクターブの声域を持つ、アルトの声の美しさ。狡噛が気に入るには少し甘すぎる声。批評家にロマンチックすぎると評価されたにもかかわらず、何度もグラミー賞を取りやがて殿堂入りした兄妹のポップ・ソング・グループ。世界的人気を得た彼らだったが、けれどヴォーカルが無理なダイエットから拒食症になり亡くなり、活動は突然終わりを告げる。彼女の死は摂食障害を世界にしらしめるものとなった。
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