Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    ダニ

    sakisaka_kanon

    MAIKING付き合ってる銀土で嫉妬する土方さんの話。
    自己完結して暴走していく土方さんが大好きで書き出した話です。本当は先日のイベントで無配にするつもりでしたが未だに終わってません。
    お手すきの際に見てやってください。
    (フォロワー限定にしてありましたが、思い直し誰でもにしました)
    鬼だって不安になる 女が男の耳に顔を寄せ何やら言葉を吹き込む。
     それを聞いた男が今度は女の耳に顔を寄せ、言葉を返す。
     昼間だというのに薄暗い路地裏で繰り広げられるその光景は、十人見たら十人全員が恋人の逢引だというだろう。少なくとも土方にはそう見える。まるで恋愛映画でも見せられている気分だ。その二人が知らない男女なら『真っ昼間からいちゃつきやがって』などの適当な感想で終わっただろう。正直ここかぶき町ではよく見る光景だ。目くじらを立てるようなことでもない。
     だが、今回はそうもいかなかった。両方顔見知りでしかも片方が自分の恋人なのだ。甘酸っぱい恋愛映画ではなく、ドロドロの胃もたれするような苦さの昼ドラだ。
     しかし、土方にとってこの昼ドラは今までも何度も見たことのあるものだった。恋人になる前もなった後も。いやというほど何度も……。
    7091

    肴飯のポイ箱

    DONEお題「相棒」
    変わらないものと、変えたいものについて。これからキダになる。そんなお話。
    変わらない、変わりたい 夜の帳が下りてから大分時間も経ち、今や空の天辺には艶やかに月が光り輝いている。月明かりによって漸く足元が見えるような部屋のさらに奥。窓も無い物置部屋は橙色の小さな室内灯によって照らされている。
    「あれ…やっぱりねえな」
     物置部屋からあちこち物を引っ張り出しては首を捻る長身の男は、最後に諦めきれないようにザッと散らかった部屋の中を見回す。が、お目当てのものは見つけられなかったのだろう。心なしかガックリと肩を落としながら部屋の電気を落とす。
     パチリ、と音を響かせてスイッチを押せば部屋の中はたちまち薄白い光が差し込むだけとなる。
    「ゴーキン」
    「おっジュラルドン。どうした?月光浴はもう良いのか?」
     ベランダに通じるガラス戸を器用に開けて、のっしのっしと音を立てながら自分の方へと歩いてくる白銀の相棒に、長身の男の正体であるキバナは、優しく笑いながら話しかける。いつもならもう少し月夜を浴びて楽しんでいる筈なのに、体調でも悪いのだろうか。そう、少し心配になってじっとこちらを見つめてきているジュラルドンのボディをチェックしようとした瞬間。
    4496