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    チョコレート

    hydroxideion010

    DONEチョコレートと鋭百
    【鋭百】チョコレート・ジェネシス 真っ赤な果実がプリントされた箱の中からは、十粒ほどの艶やかなチョコレートが顔を覗かせた。その中の一粒がつままれて、口の中へ放り込まれる。こり、とチョコレートを頬張った百々人は口元を綻ばせた。
    「美味いか」
    「うん、すごく美味しい」
     こちらに顔を向け、とろん、と目尻を下げて微笑む百々人に自然とこちらも頬が緩んでしまう。ほんのりと爽やかな甘い香りがして、友人から貰ったという珍しいチョコレートはなるほど確かに美味しそうだ。
    「マユミくんも食べる」
     そんなに物欲しそうにしていただろうか。一瞬己の行動を省みたが、一人じゃ食べきれないから、と言われてしまえば断る理由もない。
    「いいのか」
    「もちろん」
     百々人はそう言ってもう一度箱に手を伸ばし、一粒チョコレートをつまみ上げる。てっきり箱ごと差し出されると思っていたから、その一粒は百々人の口の中へと運ばれていくのだろうと思った。しかし百々人はそのまま自分の顔の前に手を持ち上げて動きを止めた。どうするのだろうかと眺めていたが、動く気配はない。意図を図りかねて顔を見ると、小首を傾げてこちらを見つめ返してきた。
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    nonmirin3

    DONE何度目かの初ちゅーのお話。何度も書いてすみません。ハッピーバレンタイン!チョコレートの受け渡しはありませんが、甘さを目指しました。そんな隠さなくても成嶺は知っていると思うのですけどねw
    甘いくちびる 買い物をした2人きりの帰り道。
    ちょっとだけ離れたところへ阿絮と寄り道をしてきた。
    二人並んで歩く影の長さは同じくらい。
    夕日が何もかもを茜色に舞って、美しい阿絮の横顔も照らしていた。

     あまりにも阿絮がお正月飾りを売っていた店の娘に色目を使ったと言って不機嫌になるから「阿絮、私のこと好きなの?」とふざけて聞いてみたら、「そうだ」とあっさり返されたから、慌てて「私も」と答えた。
    共寝はしているけれど、そのような気持ちで抱きしめることから逃げていたから、たまにこうやって好きの気持ちでくっつくようにしている。
    そういうときの阿絮も普段見せる顔とは全く違っていて新しい表情を見せてくれいた。
    例えば。
    口には出して言わないけれど、阿絮は手を繋ぐのが好きみたいだ。本人に聞いたわけじゃないけどわかる。出会ってからも見つめていたから。俯いている顔。髪の隙間から見える耳はほんのり赤くて、どうして今まで気が付かなかったんだろうと思うぐらいわかる。だから阿絮と手を繋ぐたびに嬉しくて、満ち足りて幸せで、でも少し胸が痛くなる。本当は好きで大好きでたくさん抱きしめたいけれど、成嶺の前と外ではしないことを約束しているから我慢した。
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