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    テルミ

    _41

    MOURNING同棲してるみなトウの話ソファにもたれかかり、穏やかに目を閉じる恋人。おかえりの代わりに聞こえてきた寝息に、思わず笑みがこぼれる。年上のくせに、子供のようにあどけない寝顔だった。
     投げ出された腕の先にあるスマートフォン。おそらく、巳波からの連絡を待っているうちに寝てしまったのだろう。落ちてしまいそうなそれを手にとり、テーブルの上に置く。かたりと小さな音がしたものの、寝息は相変わらず途切れることはなかった。
     疲れていたのだろうなと、目の下にうっすらと浮かんだ影を指先でなぞる。ひどくまっすぐでわかりやすいくせに、こういうところは悟らせまいとするのだ。不器用で、健気で、どうしようもなく愛しくなってしまう。
    「狗丸さん」
     寝かせておきたいが、このままでは風邪をひくだろう。寝室からブランケットを持ってきて、そっと肩にかけてやる。これでは本当に、どちらが年上かわからない。
     目を覚ましたこのひとは、優しいだなんてまた言うのかもしれない。貴方だからだと――貴方にしかこんなことまでしないと、いい加減に気づいてほしいのだけれど。見当違いの言葉は、いつだって巳波を落ち着かない心地にさせた。
     トウマといると胸のあたりがふわ 993