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    ヌビア

    転生の毛玉

    DOODLE【創作】ヌビアの子
    またハンザくんの話。ハンザくんで描きたいものが多すぎる 出演はアイール
    たるもの・かくあれ「あ」

    それは偶然だった。
    広い食堂とはいえ、机や椅子が所狭しと並んでいる以上、通路は広くはない。二人の身体同士がぶつかり、その一人、アイールが顔を上げる。
    「すまない」
    そう答えたのは、世界にほんの13人しか仲間のない【ヌビアの子】の仲間のひとり、ハンザだった。白米と魚と味噌汁、今日のランチのBセットの盆を持っている。
    「こっちこそごめんね」
    アイールが持っている盆の上には、トーストと、サラダと、サイドのおかず。ランチのCセットだ。

    「ハンザくん、ご飯一緒に食べて良い?」
    「……私で良ければ、構わん」
    「かまわない、構わない」
    アイールはルンルンとした調子でハンザの隣の席を取る。制服、或いは軍服じみた坊主の大男と、ロリィタ服を身にまとった水色髪の少女────その実、少年なわけだが────が並んで座っているというのは、嫌でも目を引く。特にこのヌビア学研究所の中において、オッドアイが二人並んでいるというのは嫌でも【ヌビアの子】同士のつながりを示す。視線を鬱陶しく感じながらも、ハンザは律儀に「いただきます」と礼儀を示した。
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