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    フライング

    kinotoriO2

    DOODLEワンライにフライング参加しようと書き始めて普通にこれ書きたいな…と思って時間かけて書いたのでワンライではないですがお題をお借りしたものです(『映画』)「キバナ、よければ少し時間をもらえないか? キミに頼みたいことがあるんだ」
     その言葉を発する前の一瞬、ダンデは躊躇うような顔を見せた。いつだってこちらの都合などおかまいなしのダンデにしては珍しい。その『頼みたいこと』はポケモンバトルとは関係のないことなのではないかとキバナは思った。
    「わざわざオマエが宝物庫にまで足を運んできたってことは、それなりにオオゴトってことか?」
    「オレにとってはそうだぜ」
    「来るまで何時間かかった? ……その顔は単位が違うのか」
     答えを聞く前に表情で分かってしまった。キバナは深く考えるのはやめにして、とりあえず場所を移す事にした。
    「ちょうど今日の仕事は終わりだ。電話で済む話じゃないならここで出来る話でもないよな?」
    「ああ」
    「それじゃ待っててくれ。どっか行くなよ。オレさま腹減ってるから、オマエが迷子になっても探しに行かないぜ」
    「分かった」
     しっかり頷いたダンデを置いて、キバナは締めの作業をジムトレーナーたちに頼み、荷物を取ってダンデがいた場所に戻った。その間五分。果たしてそこにいたのは、よく見知った顔のリザードンだった。
    「よう、リザードン。ダンデ 8927

    105@海自艦擬人化

    MOURNING3513+3818。フライングして書いた退役話が都合で没になったので…。(前半になるはずだった部分)もう仕事らしい仕事は無くやることといえば掃除と身辺整理くらいのものだ。昼も済ませ、暇をもて余していたところへ腐れ縁の同僚が顔を覗かせた。基地内ならまだしも、今いる造船所側までわざわざ来るとは珍しい。ちょっとお邪魔するねとだけ言って、返事も待たずにさっさと入り込み、自身が椅子代わりにしていたベッドに迷わず腰を下ろした。
     遠慮が無いのはお互い様だし、どこでも構いはしないが隣は流石に少し鬱陶しい。しんとした室内では息づかいすら聞こえそうな距離だ。元々口数が多い奴ではないといえ、自ら足を運んでおいて黙り込むのも妙な話だ。しばらく、何事か考え込んでいる様子をチラリと横目で盗み見る。長い付き合いで機嫌の良し悪しや考えはなんとなく理解が及ぶと思っていたが、今日ばかりはさっぱり話が読めない。用があるならそのうち勝手に話すだろうと放置を決め込み、読みかけだった雑誌をぺらぺらと捲る。
    「しまゆき」
    随分と長く感じた静寂を裂いてようやく、ぽつりと呟かれた呼び掛けにんー?と生返事をする。目線は落としたまま続く言葉を待つ。
    「私は、この30年余りが結構好きだったみたいで。遠航行って、観艦式も出て。佐世保から呉 991