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    ミタン

    kumo72783924

    PROGRESSつづき。キャラの名前を考えてみたんだけど、どのタイミングで出そうか迷い中。仕事で君の職場に行くのは、いつも決まって水曜日だった。だけど今週は行っていない。先週も行かなかった。別件で時間をとられているという事情もあるけど、ドイツ行きの話をして以来メッセージのやりとりすらしていない恋人の顔を見るのが怖いというのが本音だった。君は真面目だから、何事も無かったような態度で僕に接するなんて出来ないんだろう。いつもそうだよね。僕たちが険悪な雰囲気になったとき――それらは本当に些細なことが原因だったけど――曖昧な笑顔で誤魔化して形ばかりの仲直りを仕立て上げるのは、僕の方だった。
     だけど今回は少し話が大きすぎる。もっと慎重になるべきだった。僕は心のどこかで君を試そうとしていたのかもしれない。自分の欲の深さと浅はかさを痛感することになるとも知らずに。
    『最近仕事は忙しいの?』
    『久しぶりに食事でもどう?』
    『行ってみたいバーがあるんだけど、付き合ってくれない?』
     言い訳じみた言葉を打ち込んでは消してを繰り返し、もう30分は経っただろうか。ランチの後のコーヒーはすっかり冷め、一番伝えたい言葉を吐き出せないまま昼休みは過ぎて行った。会いたい。声が聞きたい。たったそれだけを伝え 1713