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    ムーヴ

    あもり

    DOODLE突然始まって突然終わる、シンドバットとユナンの幕間、ユナン視点。時間軸的には本編開始前のつもりです。シンドリアにふらっと遊びに来てはシンドバットのそばに居たいけどいられないことを痛感して離れる、みたいなめんどくさい猫ちゃんムーヴ的行動を何度かしてそうだなぁ〜と思いながら書きました。この2人もなかなか複雑でいいよね。
    不変「言った本人は覚えていない軽くて適当な言葉ほど、うっかり他人を救ってたり殺してたりするものさ」
     開放された窓から南国特有の生ぬるい風が流れてきて、適当に括った髪がそよぐ。僕に向き合うシンドバットの顔は無愛想のままだった。何もとって食いやしないのにと思っていると、
    「そっくりそのままお前に返してやる、ユナン」
    「……ふふふ、根に持つなぁ」
    「俺はお前と違って忘れっぽくないからな」
     わかりやすく捻くれて拗ねた事を言うものだから、思わず笑ってしまう。こんな分かりやすく、変なー警戒心と好奇心があいまぜになった顔。人間の表情筋ってこんな複雑に動くものなんだと感心する。
     それに、こんな人間的で複合的な表情はきっと自分以外にシンドバットは見せないだろう。八人将たちには甘えているからここまで警戒の色は混ざらないし、対外的には七海の覇王としての役どころと面の良さを存分に活かしている。かつて興行として舞台に立った経験も織り込んでいるはずだ。
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    ajimon_bmb

    DONEモチェと新人構成員の話。おじさんは善人じゃなくてちゃんと悪党ムーヴしてほしいよ~~!って思って書いたら、思ったよりおじさんが嫌な人間になっちゃった……。でもチェ以外には自己中で独善的で逃げ癖治り切ってないおじさんがいいよ~~~~!(ワガママ) モチェですが構成員目線なので、ほぼモチェはでません。最後だけ。あとネームドモブ構成員もいます。
    悪人 足音、怒号、打撃音。下品な金の柱に、趣味の悪い赤い絨毯が鈍く反射している。そういえば、俺の元居た組織のアジトもこんなだったと、彼方にあった記憶がふっと蘇った。思い出して楽しい記憶ではない。乾いた銃声と共に意識は現実に戻って、リロードの隙に横っ面を殴り飛ばした。あ、デジャヴだ。と、またしても楽しくない記憶が蘇った。あの時の俺も、こうやって今の上司に殴られ、気絶したのだった。
     
     半年ほど前だろうか。いやもっと前かも知れない。時間の感覚が分からない程、自分を取り巻く環境が変わったのはこの1年の間だ。
     
     酒癖も金遣いも荒い男の元に生まれ、母親は立ちんぼ。立派に半端なならず者に育った俺は、殺された父親の代わりに地元の一番でかいマフィアの鉄砲玉になった。死んだ親父はどうだってよかったが、断れば母親と弟妹がどうなるかなんて分かり切っていて、俺に選択肢や拒否権なんてなかった。
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