はちみつどろぼう「甘い……」
　そのリップクリームを唇に塗った瞬間、はちみつの甘い香りがした。きれいで、純粋で、粘度のある、何かを絡め取るような香りだった。
　ぺろ、と舌を這わせれば味も甘い。制汗剤のＣＭに出たときに新発売だからともらったリップクリームは僕の趣味ではないけれど、かといって使わないほど嫌いなわけじゃない。買わない、けど、あったら使う。そういう存在がこのリップクリームだった。
　使ったのはたまたまカバンにこれが入っていて、ちょっと唇が乾燥していたからだ。アイドルとしての僕は立派な商品なわけだから、ちゃんときれいに保たないと。
　そんなことを考えていたら事務所についた。ぴぃちゃん、休憩中かなぁ。そうだったらいいなと思いながら扉を開く。おはようございます。僕の挨拶に帰ってきた声はひとつだけだった。

愛してるゲームの幻覚 Part.2③ ルシア
「指揮官が望むのであれば」って結構あっさり受けてくれる。照れたり笑っちゃったりしたらダメだよって指揮官に教えてもらっている最中に「指揮官以外なら大丈夫なんですが……少しだけ（勝てるか）不安になってきました」って言う。なんでそういうこと言うかな（可愛い）
指揮官が勝つ→愛してるって言われた直後は平気そうだけど、徐々に顔が紅潮していく。「私の勝ちだね」って嬉しそうな指揮官の背中を見ながら「……やっぱり指揮官には勝てませんでした」ってボソッと呟くに違いない。
指揮官が負ける→照れ臭そうに「負けちゃったなぁ」って笑う指揮官を見て「実は私、少し危なかったです」ってフォローしてくれる。指揮官と遊べて楽しかったから「次もしましょうね、指揮官」って約束を交わす。可愛い。

🔥→アマーレ
💧→ネルシア
💎→ルチーゾ

【ラボメンバーについて】

・シリウスさん
🔥「わたしたちより大きいけどちっちゃい！」
💧「ある意味パパ？」
💎「なんか俺様たちのこと助けてくれたらしいぞ」
🔥「むずかしいこと沢山知ってるよね！」
💧「双子のお兄さんと仲良しだよね」

・ぺテルさん
🔥「素敵なおねーさん！笑顔がかわいい！いいにおいする」
💧「ふしぎな喋り方だよね」
💎「なんか……めっちゃ食うの見て……びっくりした……」
💧「あー……うん、たくさん食べてた」
🔥「どこに入ってるのか気になるよね」

・カペラさん
🔥「おじいちゃん！たくさん面白いの見せてくれるよ！」
💧「頭のはどうなってるんだろう？」
💎「あれなんか日毎に違うよな」

なにゆえなのでしょうかスリープモードは実のところ負担がかかるから、たまにシャットダウンしないといけない。……というのは、なにもパソコンやタブレットばかりの話ではない。アシストロイドとて人型の端末とみることもできるし、機能が搭載されていればいるほど、開くタスクが多ければ多いほど、CPU稼働率は上がり負荷がかかる。
メンテナンスを怠らないのは無論のことだが、日常的にリフレッシュをさせる必要があるのだ。

「……って、何度めですかね。これ説明するの」
「そなたはいままで食べた魚の数を覚えておるのか？」
「いえ全然」

同じやり取りになるのは、大体分かっている。けれども、もしかしたら今日は考え直してくれるかもしれないという希望も捨てきれず、同じ説明をする。強制力のある方法で命令すればシステムにより従うにせよ、可能な限りそれは避けたい。