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    ヴァンプ

    yu__2020

    DOODLEイドアズのヴァンプパロなんかやりたいと思って弄っているうちにできた何か。
    イドの元に買われた美味しいアズがなんか色々あってイドを従えてヴァンプの世界で成り上がろうとするかもしれないお話。スチパンとファンタジーくっつけたようなごった煮。
    暁闇に咲き狂え天蓋都市

     明けない夜の街、などと呼ばれているそこは、賑やかで、人工の明かりで満たされていた。満天の夜空は映し出された仮初めのもので、半天のドームの内側に実際の空の様子をシミュレートしたものが映されていた。
     それはごく普通の人間の感覚であれば、空が見えないのは不便だろうと考えるが、街に住む人々からすれば、空の様子などどうでも良い物だった。
     太陽はそこに住む多くの人々にとっては身を焼く害でしかなく、常に日のないこの街の方が居心地が良かった。その、天蓋のような天井の巨大な街、最も人が多く集まる歓楽街で行き交う人の波を二人の男は縫うように、不思議なことに誰にもぶつからないように軽やかに駆け抜けていた。二人の後には数人の男たちが追いかけており、騒ぎにあちこちからヤジが飛び、物見高い人々が通りに顔を出して祭りか何かのように賑やかになっていた。
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