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    三井

    takusan189

    DONE2024.5.22三井誕生日おめでとう!!!!
    花三のお話です。
    何気なくて幸せな日のこと「……たんじょうび?」
    「おう」
    「今日、?」
    「おう!」
    「今日が、ミッチーの、誕生日?」
    「だから、そうだって」

    思わず頭を抱えたオレに、相手は悪びれることなく「びっくりしたか?」なんて得意げに笑っている。その笑顔もかわいいと思ってしまうあたりオレもなかなか重症なのだが、まぁ、かわいいものはかわいいのだから仕方がないと開き直りたい気持ちもある。

    恋人が突然訪ねてきたかと思えば何故かコンビニのケーキを持っていた。不思議に思いながらも甘いものを食べたい気分なんだろうと勝手に解釈して、冷蔵庫にある食材で適当な夕飯を作って一緒に食べた。
    ミッチーは料理があまり得意ではない。というか決まったメニューしか作れない。カレー、シチュー、チャーハン。あとは野菜をちぎったり刻んだりしただけのサラダ。焼肉のタレで炒めた肉。今のところオレが食わせてもらったのはそんなところ。正直なことを言えばどれも「まずくはない」という感想だったが、ミッチーが作ってくれたという一点だけで全てが絶品の料理だったし、実際に「最高にうまい」と伝えたし、そうするとミッチーは得意げな笑顔で「また作ってやる!」と言ってくれた。
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    plntanightlunch

    DONE残響スピンオフ。もういくつめかわからない。三井酒店で働くモブの久保さんが、「7」に行く話です。
    おいしいお酒が飲みたいだけなのに 店に入る少し前に約束をしていた友人から遅れると連絡をもらった久保は急がずにきてと返信し、そのまま店に入るか本屋に行って時間を潰すか数秒迷った後で、やはりそのまま歩を進めるほうを選んだ。かばんには読みかけの本が入っていたし、今日行く予定の店は一人で飲むことに躊躇するような店の雰囲気でもない。なにより喉が渇いていた。

     歌舞伎町はそれほど行きたい街というわけではない。ごちゃごちゃしているし、道には人も多ければゴミも多い。そのくせ隠れた名店みたいなのが多いのが、ついつい好きでもない街に足を向けたくなってしまう理由でもあるのだが。「7」だってそのひとつかもしれない。ホテルほど敷居も値段も高くなく、だからといってカジュアルに振りすぎていることもない。外の喧騒とは逆に静かに飲むことだけを目的としている客が集まっているし、酒はうまい。カウンターに座るとわかるが、バーテンダーの後ろの棚に並ぶ酒は結構なコレクションで、これはまあ、うちの社長の営業の成果だろう。口はうまいからあの人は……考えるともなしに考えて、そこまで思考が到ったところで、久保は息を吐き出した。仕事が終わってまで会社のことを考えるなんてよくない。オフィスを一歩出たら仕事のことは忘れる。これが日々を穏やかに過ごす大原則だというのに。
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