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    主人公

    よるのなか

    DONE幻想水滸伝webオンリーイベント「星の祝祭Ⅵ」のWEBアンソロ企画参加作品です。
    キャラ「2主人公とジョウイ」で、お題「緑」お借りしました(CPなし)
    ミューズ和議決裂後のどこか(設定はふわふわ適当)で、偶然二人だけで会うことになる2主とジョウイの話。
    ハーンとゲンカクも戦時中に酒を酌み交わしていたらしいし、二人にもそんな時があればいいのに、と想像した結果です。
    2主人公の名前→ミラン
     時折、一人になりたくなる時がある。城から出て、誰にも会わずに、ただ一人でぼうっと自然を眺める時間。勿論長時間そんなことをするわけにはいかないので、ごく短い間だけれど。そんな衝動に駆られた時は、ミランはこっそりビッキーを訪ねてどこかに飛ばしてもらい、一人の時間を過ごした後で鏡を使って戻っていた。
     今日も、そのつもりだったのだ。飛んだ先で、思わぬ人物に会うまでは。
    「やっばり、今の時期は緑が綺麗だと思ったんだよな。うん、ここにして良かった」
     そう呟いて、ミランは両の手を天に伸ばし一つ深呼吸をした。澄んだ空気と青々とした空の下で、鮮やかな緑が生い茂っている。乾いた風に揺られて緑が揺れる、その合間からきらきらと漏れる光が綺麗だ。人気のない山の中腹。少し歩けば、故郷が見えてくる。幼い頃冒険と称して、ナナミやジョウイと何度か訪れた場所だった。今日はどこで過ごそうか、そう考えていた時にふと頭の中に浮かんだのが、この場所だった。昔、ちょうどこの時期にも訪れたことがあり、その時に木々の緑がとても美しく感じたのを思い出したのだ。本来ならば今は訪れることは叶わない地であるが、こんな山奥に兵を置く程の余裕はハイランドにもないはずであり、ビッキーの転移魔法と鏡の力で、ほんの僅かな時間ならば滞在は可能だろうと判断して今に至る。勿論これが仲間に知られれば大目玉を食らうことは確実なため、こっそりと。
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    chi

    PAST2年前の御影先生オンリーで展示していた作品の再掲です。今はこれの続きを書いていて、本にできればと思ってます!当時読んでくださった方、本当にありがとうございました!

    御影先生お誕生日おめでとうございます!

    ※作品の注意
     捏造モブが出てきて、素行が悪いです
     主人公の名前は小波美奈子です
    月はグリーンチーズでできている 小波美奈子はあの日のことをよく覚えている。梅雨が明け、いつの間にか数を増やした蝉の鳴き声が夕方になっても喧しい、蒸し暑い夏の日だった。
     高校生になって初めての期末テスト最終日で、いつもより早く学校が終わったのを良いことに、キンキンに冷房の効いたリビングのソファーに寝そべって学園青春ドラマを観ていたら、いつの間にか眠りに落ちてしまっていた。その頃のはばたき学園、とりわけ一年生たちの間には形容し難い妙な息苦しさがあって、少し疲れていたのかもしれない。キッチンからじゅうじゅうと夕飯支度の音が聞こえてくるまですっかり夢の中を満喫し、起き抜けの美奈子に母が「卵切らしてたから買ってきてくれない?」と、使いに出した。母の一言がなければこの日は怠惰を極めただけの、思い返すこともなければ記憶のフックにかかりもしない、なんの変哲もない一日になっていただろう。
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