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    花子。

    PROGRESSジュンブラ 個人誌の人魚パロひよジュン小説です!
    網にかかって水揚げされちゃった人魚のジュンくんが苦労しながら陸のカフェでバイトする話。おひいさんはお客さん。
    この話だけちょっとキナ臭いんですけど、あとはほのぼのゆるゆるうっすらラブコメになると思います。
    ようこそマーメイドカフェテリア(仮)◆採れたて新鮮海藻サラダ

    「しゃーせー……ランチどーっすか」
    「ごめんね、悪いけど間に合って……、えっ?」
    レンガ敷きの街中を軽やかな足取りで散歩していた日和は、突如かけられた声の方へチラリと目を向けて、そして思わず足を止めた。
    日和はこの街を治める一族の子息だ、毎日なにかと多忙なのである。つまらない事に時間を使うつもりは無いし、ランチならこの後お気に入りのカフェでとる予定を立てているので、ただの客引きであったなら軽くあしらって通り過ぎるつもりだったのに。そこにいたのは『ただの』客引きではなかった。
    庭のある煉瓦造りの小さな一軒家を改築して造られたカフェテリア、それをぐるりと囲むレッドロビンの生垣の途切れた入口に、それはそれは大きな木製のワイン樽がある。人間一人がスッポリと入る程のサイズ感、実際、声の主であろう濃紺の髪色をした青年の何もまとっていない上半身が覗いている。それから……日の光を受けてキラキラと鱗が煌めく魚の尾びれも。
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    Ao_MiNaMii

    PROGRESSししんでんしんそくぜんしゅぞく本Side玄武 人間族の章

    人間族の玄武=氷船ヒブネ
    村を焼かれて疲労困憊で裏山をうろうろしてたら滑って転んだ

    人間族の薫=海晴ミハル
    子どもたちが避難したって聞いて山小屋に向かってたら氷船が斜面ズベベベベしてきたので激おこスティックファイナリアリティなんとか
    この時点では信と正義に息がある 火の手がどこまで回っているか確認して、もし近いようならもっと上の小屋へ移動して、村や大人たちがどうなっているか確認して……
     そう考えて、それを行動に移したはずなのに、気づけば氷船はふらふらと山小屋や村の周囲を彷徨っていた。あれこれ確認して次の行動を決めなければ、と頭では分かっているつもりなのに、焼けた村を目にするのがどうしても怖い。代わりにあちこちへ無意味な視線を投げながら歩いているうちに、踏みつけた草で靴が滑って視界と重心が転げた。
     ずざざざ、と自分が山を滑っていく音が氷船の意識を席巻する。呆然とする氷船の耳に、鋭い声が飛び込んだ。
    「氷船くん!」
     同時にガクンと視界が止まって、肩の布地が上に引きずられ腰帯がずれる。しぱしぱと何度か瞬きをしていた氷船は、覚束ない動作で肩の上のほうを見上げた。
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