Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    勇者

    coco_otome

    DONEオトメ勇者、マンガ5版完結おめでとうございます☺️
    そんなわけで、遅ればせながらエンディング後のクロービスさん視点のクロアスのお話です。
    思い出して速攻迎えに来るパターンもいいなぁと思いつつ、記憶戻るまでにちょっとラグがあってもいいよねと思ってこんな感じになりました。
    改変後の世界のクロービスさんが幸せそうで本当によかったなー。
    欠けた世界が満ちるまで / ✡️🎀--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------





















     己の記憶が定かではなくなったのは、一体いつからだったというのだろう。
     見慣れた平和そのものの城下の風景が、眩くも明らかな欠落を抱えている。この光景が見たかったのだという感慨と、だがそれには彼女がまだ足りないという焦燥がクロービスを視察先とは反対方向の馬車乗り場へと向かわせていた。今の今まで意識することはなかったが、通りは綺麗に道が整えられており記憶よりも走りやすい。それは魔物の襲撃が頻繁にあった以前の世界であれば驚異的だが、現在ではなんの変哲もない極めて普通のことである。なにせこの世界は、最初から魔物の脅威にさらされたことなどなかったのだから。
    1453

    itono_pi1ka1

    DONE2020~2022のTwitterSSログ。だいたいリーバルの話。テバとカッシーワの話が少し。モブリト青年の話と勇者の話とめどりばの話が一つ。
    リトSSログ◇憧れ映すは琥珀の眼
     風の便りというのは、時にどんな吟遊詩人よりも早く[[rb:市井 > しせい]]の出来事を戯曲に仕立て上げる。たとえばリト族の詩人の元にとある伝説の幕切れを伝えたのは、言葉でなく青い閃光と轟音、そして風が運んできた青い花びらの群れだ。それは彼の友が大切にしていた花で、名前を姫しずかと言った。
     それから昼日、近頃リトの村へと帰郷した吟遊詩人を訪ねて、ハイリア人の旅人がやって来た。かつて村の窮地を救ってくれたその旅人にリト達は戦士も商人も深く謝意を示し、詩人の待つ広場へとすぐさま案内をして、後は静かに風の吹くまま彼が過ごせるよう計らった。
     吟遊詩人は旅人の青年の姿を認めると、楽器を奏でていた手を止め、他のリト同様に深く一礼した。そして用向きを尋ねてみると青年は「旅の終わりを報告に来たのだ」と言う。吟遊詩人もかつては旅がらす、その道行きの最中で青年と知り合った。旅を終えて故郷の村へと帰ってきたのは、ひとえに旅の目的、すなわち古の唄の研究と完成が果たされたからだった。
    32464