卒業
slow006
DONE第11回 菅受ワンドロワンライ、「待ち合わせ」及菅で参加させてもらいました。高校卒業後くらいの二人です。次回開催まではセーフというお優しい言葉をいただいたので、滑り込みで……。
第11回 菅受ワンドロワンライ「待ち合わせ」「じゃあ、また放課後」
コートもマフラーもお役御免。朝の空気もすっかり和らいで、春の訪れを感じた。賑やかな昇降口を抜け、人もまばらな廊下でハイタッチ。教室は二つほど離れているので、ここでお別れだ。じゃあ、と菅原が自分の教室のほうへ歩き出し、名残惜しくて振り返ると及川はまだ教室に入らず、へらりと笑ってドアの前で手を振っていた。
一限、二限、三限、四限と終わり、昼休みも各々クラスメイトたちと食べる。曜日によっては五限の選択授業で一緒になったりならなかったり。他人からするとそっけないようにも感じるようだが、それはそれ。顔を合わせない間、互いのことが気にならないと言えば嘘になるが、二人で話し合って決めたことなので、特別苦でもなかった。
2151コートもマフラーもお役御免。朝の空気もすっかり和らいで、春の訪れを感じた。賑やかな昇降口を抜け、人もまばらな廊下でハイタッチ。教室は二つほど離れているので、ここでお別れだ。じゃあ、と菅原が自分の教室のほうへ歩き出し、名残惜しくて振り返ると及川はまだ教室に入らず、へらりと笑ってドアの前で手を振っていた。
一限、二限、三限、四限と終わり、昼休みも各々クラスメイトたちと食べる。曜日によっては五限の選択授業で一緒になったりならなかったり。他人からするとそっけないようにも感じるようだが、それはそれ。顔を合わせない間、互いのことが気にならないと言えば嘘になるが、二人で話し合って決めたことなので、特別苦でもなかった。
ikura_hanken
SPUR MEめちゃくちゃ途中のフォ学ネファ。卒業シーズンに某卒業ソングを聞いてて無性に書きたくなったやつ。季節物は前後半年に当たり判定があるので、実質今も卒業シーズンです。
卒業するファと見送るネ。卒業後も会うし、悲しくはないよねって思ってるネの話。
死せる春に手向けの造花を「僕、来週から家庭学習期間に入るんだ」
「あぁ……もうそんな時期か」
二月を目前にした一月の終わり。いつものように図書室で、自分の勉強のついでといいつつ俺の勉強も見てくれていたファウストが思い出したように言った。
ファウストは俺のひとつ上の三年生だ。今年卒業する。一月にほぼ全ての授業を終えて家庭学習期間に入るため、学校には来なくなってしまう。
「こうやってここで君と過ごすのも来週で最後になる」
去年の春頃に出会ってから一年もしない時間だが、ここで放課後にファウストから勉強を教わるのは日課になっていた。それも来週で終わるらしい。
二年間毎日欠かさずこつこつ勉強してきたおかげで、他の学生のように受験勉強に躍起にならずに済んだファウストも、二月半ばに大学受験があるし冬休みのように家にいくのは控えた方が良さそうだ。
1704「あぁ……もうそんな時期か」
二月を目前にした一月の終わり。いつものように図書室で、自分の勉強のついでといいつつ俺の勉強も見てくれていたファウストが思い出したように言った。
ファウストは俺のひとつ上の三年生だ。今年卒業する。一月にほぼ全ての授業を終えて家庭学習期間に入るため、学校には来なくなってしまう。
「こうやってここで君と過ごすのも来週で最後になる」
去年の春頃に出会ってから一年もしない時間だが、ここで放課後にファウストから勉強を教わるのは日課になっていた。それも来週で終わるらしい。
二年間毎日欠かさずこつこつ勉強してきたおかげで、他の学生のように受験勉強に躍起にならずに済んだファウストも、二月半ばに大学受験があるし冬休みのように家にいくのは控えた方が良さそうだ。
oozeidesu
DOODLEクトゥルフ神話TRPG「仰望すれども銀」で遊んだ記念轟木善吉(18)
中学卒業間際に両親が蒸発し、中卒で働くことに。
色んな縁があっていまはトラックドライバーとして毎日汗水たらして頑張っています。(無免許です) 2
李南(りな)
DONEエアコレ2023春のお題作品の玲マリ小説です。卒業後、ゴールデンウィーク最終日に玲太くんの家でひたすら甘い一時を過ごす話。この話のR-18シーン有のものを展示小説にするつもりでしたが、今回は間に合いませんでした……5月中には書きたい。
Sweet Holiday ゴールデンウィークの最終日、明日からまた大学が始まるので、連休の最後は出かけず玲太くんの家でゆっくり過ごしている。時刻は午後三時を過ぎ、お茶の時間になった。
「お待たせしました」
「わぁ、かわいい!」
玲太くんが持って来たアンティークのティーセットに目を輝かせる。イギリスで使っていたものを紅茶と一緒にお母さんから送ってもらったそうだ。紅茶もいい香りでさすが本場のものだなと思ったら、さらにお茶のお菓子にアイシングクッキーも焼いてくれた。色んな形のものがあって見ているだけでも楽しい。お茶もお菓子も食器も何もかもが本格的ですごい。
「すごい、本場のティータイムみたい」
「母さんにティーセットと紅茶送ってもらって、ちょっとはりきった。ゴールデンウィーク最後の思い出に素敵なティータイムはいかがですか?」
3233「お待たせしました」
「わぁ、かわいい!」
玲太くんが持って来たアンティークのティーセットに目を輝かせる。イギリスで使っていたものを紅茶と一緒にお母さんから送ってもらったそうだ。紅茶もいい香りでさすが本場のものだなと思ったら、さらにお茶のお菓子にアイシングクッキーも焼いてくれた。色んな形のものがあって見ているだけでも楽しい。お茶もお菓子も食器も何もかもが本格的ですごい。
「すごい、本場のティータイムみたい」
「母さんにティーセットと紅茶送ってもらって、ちょっとはりきった。ゴールデンウィーク最後の思い出に素敵なティータイムはいかがですか?」
iken_0724
PROGRESS12月に発行予定の再録本への収録を予定しておりますが、単体でお求めの方もいらっしゃるかなと思い、アンケートを設置しました。
参考にしたいと思いますので、よければご協力ください。
アンケート→https://forms.gle/VbQdUN6AB24us53f9
※成人向け作品のため18歳未満(高校生含む)の閲覧はご遠慮ください。
pass:18歳以上(高校卒業済)?yes or no 19
kinopino3
DONE露仗♀べろせんせに恋する仗子ちゃん、本当に可愛いよね…って思います。
互いに高〇生に手を出してる自分見て『噓だろこいつ…』って引きながらも、まぁこのぼくだし
生半可な気持ちでこいつ(すけ君ちゃん)と付き合ってんじゃあないんだよって、すぐ納得するWべろ話好き。
すけ君ちゃんは互いに「「あー…」」ってなりつつ惚気てるといい。
(どっちかがヤリまくりor卒業まで何も無しの世界線だとなお良し) 2
waguri1154
DONE百年後、年上の君に逢う現パロ、教師で同僚、二人とも記憶あり
付き合っている25歳のさねぎゆが
卒業式の後、袴姿でお花見に行くお話です
ワンライに参加させていただいたものです
お題「あなたに微笑む」「花嵐」お借りしました
春だ!桜だ!さねぎゆだ!袴姿で桜見て!!
…みたいな感じの折本を作りたくて書きました
短いのですが楽しんでもらえると嬉しいです! 7
うづき竜胆(宿受け)
MAIKING五宿SS⚠呪専パロ(卒業後のお話です)
⚠5️⃣は教師、ス(🐯くんver)は元生徒
⚠何でも許せる方むけです。
在学中の四年間、五条に口説かれ続けていた宿儺。しかし、それは卒業と同時にびたりと止んで……。
539ウィークおめでとうございます!
間に合いそうもないので、途中までですが賑やかしになればと公開しました!
(ネタバレすればこのあとスちゃんは5️⃣に連れ去られます) 1082
kokuto_man10MAX
MEMO雹くんはミスミに自分の想いが伝わってると思ってるでもミスミには雹くんの気持ちがイマイチ伝わってないから、雹くんは自分を異性として好きではないんだろうと思っている
だから卒業と同時にきっぱり諦めようと思っていた 2
nomuqu
DONE[スバ北] 北斗誕生日まんが2022年12月17日(土)〜18日(日)に開催されたスバ北Webオンリーにて展示させていただいた漫画を描き直しました。
素敵なイベントありがとうございました☺️
⚠️卒業後、それぞれ一人暮らしをしている設定です。スバ北はお付き合いしてます。 13
ナユタろう
DOODLE男子高校生アイドルとしての活動、配信者としてネット活動を通して自分の才能の無さに絶望。足の故障とも重なったところでプロデューサーとしての才能を見出してもらい、アイドル活動卒業後にそちらに編入して成長する。
……というのが今のところのルート。
カイネ
MOURNINGfry落ち(たまに📖沿い)夢主設定→教師 fryの高校の同級生 両片想いのまま卒業
#decnプラス #decn夢
二度、恋をする。【ゼロの執行人沿い】⚠1〜4を読んでからお読みください4月28日土曜日__…ナマエは干していた洗濯物を取り入れると、テーブルの上に置いていたリモコンでテレビを点けた。そしてチャンネルをまわし、普段観ているワイドショーで止める。「《無人探査機【はくちょう】が火星からのサンプル採取を終え、日本時間の5月1日、いよいよ地球に帰って来ます。》」女性アナウンサーが帰還計画図に沿って、帰還カプセルの回収方法やカプセルの説明をしている。ナマエは取り入れた洗濯物をたたむため、テレビ画面から目をそらした。「《番組の途中ですが、たった今入ったニュースです。》」顔を上げると女性アナウンサーが探査機について説明していたスタジオから切り替わり、報道局が映っていた。緊迫した様子が男性記者の表情から読み取れる。「《お伝えします。来週、東京サミットが行われる国際会議場で、先程大規模な爆発がありました。その時の防犯カメラの映像です。》」記者がそう伝えると、テレビ画面が防犯カメラの映像に切り替わる。お腹に響くような音がしたかと思うと、国際会議場が爆発し、煙に覆われた。『サミット会場で爆発だなんて…。』洗濯物をたたむ手を止め、テレビの映像を食い入るように観る。「《現場となった統合型リゾート【エッジ・オブ・オーシャン】はまだ開業前だったため利用客はいませんでしたが、サミット警備の下見をしていた警察官数人が死傷したとの情報が入っています。繰り返します。》」再び、爆発現場の映像が流れ、ナマエはただただその映像を見つめる事しか出来なかった。
198196時半のラッコ
DOODLE稲荷田 狐 いなりだ きつね177cm 66kg 35歳 11/7生
親族が経営する葛ノ葉探偵事務所の探偵。全てにおいて希薄な性格。
大学時代に探偵業に足を踏み入れ、卒業後そのまま探偵になる。 7
@shin_sugarmaro
MAIKING卒業後のジェイアズ R-18アズに振られたジェイドが住所不定無職のヒモ男になってる話
※アルコール依存症でニコチン中毒でギャンブル狂のピアスばちばち墨入りジェが出てくる
※かっこいいジェはいません
※男女共に飼われてる左右不定のジェ
※本当になんでも大丈夫な人向け
全部おっけーな大人のみどうぞ y/n 48001
SEA
DONE学パロ曽芭本編第一章、文章を編集して画像にしました。高校生✂卒業後→入学後になってます。3つ目の話は支部に載せたのを修正。[追記2023/5/7]4つ目も追加しました。こちらも支部に載せた文の修正版です 11カイネ
MOURNINGfry落ち(たまに📖沿い)夢主設定→教師 fryの高校の同級生 両片想いのまま卒業
#decnプラス #decn夢
二度、恋をする。46
「それでナマエは大丈夫だったの?」澁谷の自宅マンションでコーヒーを飲みながら先日のストーカー事件が話題にあがる。『安室さんと毛利さんのおかげでなんとか…。まだ少し夜は怖いけどね。』そう言うとナマエは苦笑いを浮かべた。「だよね…。」『…夏子?』澁谷の様子に違和感を感じ、ナマエは澁谷の顔を覗き込む。「………実はさ、」
「………なるほど。勤務先の学校から何者かに跡を付けられているような気がすると言うわけですね。」安室の問い掛けに澁谷は小さく頷いた。「…それで、調査のお願いって出来ますか?」「えぇ、もちろん。任せて下さい!」安室はそう言うとポケットから名刺ケースを取り出す。そしてそこから名刺を一枚出すと、澁谷へと差し出した。「基本、調査の報告はメールで行います。」澁谷は名刺に書かれているアドレスを見る。「わかりました。あとでこのアドレスへメール送っておきますね。」手帳へと名刺を挟み、安室を見た。安室は「お願いします」と返事を返すと、ナマエの方へと優しい視線を向ける。澁谷はそんな安室の様子を見て大きな声を上げた。「あ!ごめん、ナマエ!私ちょっと用事思い出したから帰るね!」澁谷はそう言うとナマエの返事も聞かぬ間にコーヒー代をテーブルへ置くと勢い良く席を立つ。『ちょ…夏子?!』澁谷の背中に向かって言葉を投げるも届かず、慌ただしく店を飛び出して行った。『慌ただしくてすみません。』ナマエは小さく頭を下げる。「いえいえ。…ところでナマエさん…あれからしばらく経ちますが、どうですか?」『少しずつ普段の生活に戻っては来てますが、やっぱり夜になると少し、怖いです。』カプチーノが入ったカップの縁を撫でながらそう答えたナマエは何かに気付いたようにパッと顔を上げた。『あ、安室さん!』「はい、なんですか?」『あれほど色々して貰っておきながら私…安室さんへの支払いが…!あのお幾らですか?』ナマエはそう言って鞄の中から財布を出そうとする。だが安室はにっこりと微笑み、それを制す。「ナマエさん…あれは僕が好きでやった事です。なので報酬は入りません。」『そ、そんなわけには!』ナマエ自身が気付いていないところで色々としてくれたに違いない安室に対してこればかりは引き下がれない。ナマエは強い眼差しで安室を見つめる。「……うーん…そこまでおっしゃられるのなら、そうですね。」安室は顎に手をやり、少し考える。そして
5690「それでナマエは大丈夫だったの?」澁谷の自宅マンションでコーヒーを飲みながら先日のストーカー事件が話題にあがる。『安室さんと毛利さんのおかげでなんとか…。まだ少し夜は怖いけどね。』そう言うとナマエは苦笑いを浮かべた。「だよね…。」『…夏子?』澁谷の様子に違和感を感じ、ナマエは澁谷の顔を覗き込む。「………実はさ、」
「………なるほど。勤務先の学校から何者かに跡を付けられているような気がすると言うわけですね。」安室の問い掛けに澁谷は小さく頷いた。「…それで、調査のお願いって出来ますか?」「えぇ、もちろん。任せて下さい!」安室はそう言うとポケットから名刺ケースを取り出す。そしてそこから名刺を一枚出すと、澁谷へと差し出した。「基本、調査の報告はメールで行います。」澁谷は名刺に書かれているアドレスを見る。「わかりました。あとでこのアドレスへメール送っておきますね。」手帳へと名刺を挟み、安室を見た。安室は「お願いします」と返事を返すと、ナマエの方へと優しい視線を向ける。澁谷はそんな安室の様子を見て大きな声を上げた。「あ!ごめん、ナマエ!私ちょっと用事思い出したから帰るね!」澁谷はそう言うとナマエの返事も聞かぬ間にコーヒー代をテーブルへ置くと勢い良く席を立つ。『ちょ…夏子?!』澁谷の背中に向かって言葉を投げるも届かず、慌ただしく店を飛び出して行った。『慌ただしくてすみません。』ナマエは小さく頭を下げる。「いえいえ。…ところでナマエさん…あれからしばらく経ちますが、どうですか?」『少しずつ普段の生活に戻っては来てますが、やっぱり夜になると少し、怖いです。』カプチーノが入ったカップの縁を撫でながらそう答えたナマエは何かに気付いたようにパッと顔を上げた。『あ、安室さん!』「はい、なんですか?」『あれほど色々して貰っておきながら私…安室さんへの支払いが…!あのお幾らですか?』ナマエはそう言って鞄の中から財布を出そうとする。だが安室はにっこりと微笑み、それを制す。「ナマエさん…あれは僕が好きでやった事です。なので報酬は入りません。」『そ、そんなわけには!』ナマエ自身が気付いていないところで色々としてくれたに違いない安室に対してこればかりは引き下がれない。ナマエは強い眼差しで安室を見つめる。「……うーん…そこまでおっしゃられるのなら、そうですね。」安室は顎に手をやり、少し考える。そして
MATSU
DOODLEサワサト雑描き。【1枚追加🔑かけるほどではないと思うけど触ろ先生です(?)ちゅーもしてます】後々ここの表記が変わって🔑が設置されたらあぁまたそういう雑描きをしちゃったんだなって察してくださいっていうかそういう雑描きのつもりだったんだけど気力が足りなかった(?)サトウ卒業後の私服が全く思いつかんよ! 2カイネ
MOURNINGfry落ち(たまに📖沿い)夢主設定→教師 fryの高校の同級生 両片想いのまま卒業
#decnプラス #decn夢
二度、恋をする。35
帝丹高校での仕事を終え、自宅マンションへと辿り着くと郵便受けの中身をチェックする。会員登録しているデパートからのお知らせなどに交じって白い封筒が入っていた。宛名が書かれておらず、裏返してみても差出人の名前も見当たらない。ナマエは不思議に思いながらもマンションの階段を上がって行く。ヒールの音が静かにコツコツと響いた。ナマエは鞄から花柄のポーチを取り出すと、キツネのキーホルダーが付いた鍵を鍵穴に差し込む。『ただいま…。』誰もいない部屋に向かって、帰宅の挨拶をする。一日履きっぱなしのヒールを脱ぎ、洗面所へと向かった。手を洗い、うがいを済ませると着ていた服を脱ぎ、部屋着へと着替える。普段と変わらない行動なのに何故か違和感を感じ、ナマエは辺りを見渡す。だが、特に変わった様子はない。ナマエは首を傾げながら脱衣所を後にした。簡単な夕飯を作り、テレビを見ながらそれを口を運ぶ。バラエティ番組から流行りの芸人のギャグが聞こえて来る。ナマエは食べ終えた食器を持ち、流しへと向かう。洗い物を済ませ、食後のコーヒーの準備をしている時、ふと白い封筒の存在を思い出した。お湯が沸くまでまだ時間がある。ナマエは郵便物の中から白い封筒を取り出しそれを開けた。封筒の中には一枚の便箋が入っており、ナマエは恐る恐る便箋を開く。『な、に…これ…。』開いた便箋には【君のことは守るから安心して】と書かれていた。手書きではなく、パソコンで打たれた物でどんな人物が書いたのか想像出来ない。ナマエは気持ち悪さを感じ、その便箋を思わず投げ捨てた。『…ど、どうしよう。』初めての事に頭がうまく回転しない。心臓も信じられない速さで鼓動を打ち、次第に呼吸も乱れ始めた。『(落ち着け…!落ち着け…!)』早鐘を打つ胸に手を当て、必死に呼吸を整えようとしていると、ふいに安室の笑顔が脳裏に浮かんだ。ナマエは、はっとしてスマホを掴むとアドレスから【安室透】の名前を探す。だが、探している途中で、その手が止まった。本当に今すぐ安室に頼らなければならないのか?ただのイタズラではないのか?そう思い出すと気持ちがスーッと落ち着き、呼吸も普段通りに戻る。『(…安室さんだって今頃、プライベートな時間を過ごしてるんだから邪魔しちゃいけない…。)』ナマエはスマホをテーブルの上に戻すと床へ落とした手紙を拾いあげる。そしてなるべく内容は見ないようにして封筒へと直
14957帝丹高校での仕事を終え、自宅マンションへと辿り着くと郵便受けの中身をチェックする。会員登録しているデパートからのお知らせなどに交じって白い封筒が入っていた。宛名が書かれておらず、裏返してみても差出人の名前も見当たらない。ナマエは不思議に思いながらもマンションの階段を上がって行く。ヒールの音が静かにコツコツと響いた。ナマエは鞄から花柄のポーチを取り出すと、キツネのキーホルダーが付いた鍵を鍵穴に差し込む。『ただいま…。』誰もいない部屋に向かって、帰宅の挨拶をする。一日履きっぱなしのヒールを脱ぎ、洗面所へと向かった。手を洗い、うがいを済ませると着ていた服を脱ぎ、部屋着へと着替える。普段と変わらない行動なのに何故か違和感を感じ、ナマエは辺りを見渡す。だが、特に変わった様子はない。ナマエは首を傾げながら脱衣所を後にした。簡単な夕飯を作り、テレビを見ながらそれを口を運ぶ。バラエティ番組から流行りの芸人のギャグが聞こえて来る。ナマエは食べ終えた食器を持ち、流しへと向かう。洗い物を済ませ、食後のコーヒーの準備をしている時、ふと白い封筒の存在を思い出した。お湯が沸くまでまだ時間がある。ナマエは郵便物の中から白い封筒を取り出しそれを開けた。封筒の中には一枚の便箋が入っており、ナマエは恐る恐る便箋を開く。『な、に…これ…。』開いた便箋には【君のことは守るから安心して】と書かれていた。手書きではなく、パソコンで打たれた物でどんな人物が書いたのか想像出来ない。ナマエは気持ち悪さを感じ、その便箋を思わず投げ捨てた。『…ど、どうしよう。』初めての事に頭がうまく回転しない。心臓も信じられない速さで鼓動を打ち、次第に呼吸も乱れ始めた。『(落ち着け…!落ち着け…!)』早鐘を打つ胸に手を当て、必死に呼吸を整えようとしていると、ふいに安室の笑顔が脳裏に浮かんだ。ナマエは、はっとしてスマホを掴むとアドレスから【安室透】の名前を探す。だが、探している途中で、その手が止まった。本当に今すぐ安室に頼らなければならないのか?ただのイタズラではないのか?そう思い出すと気持ちがスーッと落ち着き、呼吸も普段通りに戻る。『(…安室さんだって今頃、プライベートな時間を過ごしてるんだから邪魔しちゃいけない…。)』ナマエはスマホをテーブルの上に戻すと床へ落とした手紙を拾いあげる。そしてなるべく内容は見ないようにして封筒へと直
カイネ
MOURNINGfry落ち(たまに📖沿い)夢主設定→教師 fryの高校の同級生 両片想いのまま卒業
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二度、恋をする。23
テストも無事に終わり、ナマエは久々に【ミチクサ】を訪れていた。いつもはカウンター席に腰掛けるが、今日は窓側のテーブル席に身を置き、ノートパソコンと向き合う。テーブルの上には頼んだカプチーノと手帳にスマホ、びっちりと文字が書き込まれたノートにポーチが並んでいる。パソコンの画面とにらめっこしながらキーボードをカタカタと打ち、時折、目頭を抑えてはため息をつき、再びキーボードを打つと言う作業を繰り返す。宮本はそんなナマエに目をやりながらも自分の作業を進めて行く。他に客は居らず、ナマエの打つキーボードの微かな音と店内に流れるBGMが心地良い。『あ…』不意にナマエの口から声が漏れ、宮本はそちらを見た。ナマエはパソコンから顔をあげ、店の外へと視線を向けている。宮本は不思議に思い、窓の方へと視線を動かす。そして窓ガラスをはさんだ向こう側に1人の男が立っている事に気付いた。金色に近い髪が風になびき、男の青い瞳があらわになる。「(あいつは…)」風が強かったあの日。【ミチクサ】の向かいの歩道でナマエと抱き合っていた男だと宮本は気付き、眉間に皺が寄る。そんな宮本とは裏腹にナマエは笑顔を浮かべ、席を立った。そして荷物をそのままに宮本に一言声を掛け、店の外へと出て行く。どうやら男が外へ出て来るように合図したようで、宮本の心の中をどす黒い影がじわりじわりと侵食して行った。
7684テストも無事に終わり、ナマエは久々に【ミチクサ】を訪れていた。いつもはカウンター席に腰掛けるが、今日は窓側のテーブル席に身を置き、ノートパソコンと向き合う。テーブルの上には頼んだカプチーノと手帳にスマホ、びっちりと文字が書き込まれたノートにポーチが並んでいる。パソコンの画面とにらめっこしながらキーボードをカタカタと打ち、時折、目頭を抑えてはため息をつき、再びキーボードを打つと言う作業を繰り返す。宮本はそんなナマエに目をやりながらも自分の作業を進めて行く。他に客は居らず、ナマエの打つキーボードの微かな音と店内に流れるBGMが心地良い。『あ…』不意にナマエの口から声が漏れ、宮本はそちらを見た。ナマエはパソコンから顔をあげ、店の外へと視線を向けている。宮本は不思議に思い、窓の方へと視線を動かす。そして窓ガラスをはさんだ向こう側に1人の男が立っている事に気付いた。金色に近い髪が風になびき、男の青い瞳があらわになる。「(あいつは…)」風が強かったあの日。【ミチクサ】の向かいの歩道でナマエと抱き合っていた男だと宮本は気付き、眉間に皺が寄る。そんな宮本とは裏腹にナマエは笑顔を浮かべ、席を立った。そして荷物をそのままに宮本に一言声を掛け、店の外へと出て行く。どうやら男が外へ出て来るように合図したようで、宮本の心の中をどす黒い影がじわりじわりと侵食して行った。
カイネ
MOURNINGfry落ち(たまに📖沿い)夢主設定→教師 fryの高校の同級生 両片想いのまま卒業
#decnプラス #decn夢
二度、恋をする。1
【喫茶 ミチクサ】
コーヒーの香りが漂う店内にマスターの宮本とカウンター奥に座る女性が1人。宮本はコーヒーカップを拭きながら女性へと視線を向けた。女性は真剣な眼差しを左手の文庫へと落とし、その世界にのめり込んでいるようだ。宮本にはどんな物語を楽しんでいるのかまではわ分からなかったが、女性の真剣な表情を見ているこの時間が嫌いではなかった。ふと、文庫のページが残りわずかな事に気付き、宮本の口から小さなため息が漏れた。ペラ…ペラ…と読み進められていく物語。そして女性は最後の行を読み終えると静かにそれを閉じると『ふぅ…』と息を漏らした。どうやら今、体験し終えた物語に満足しているようだ。しばらくのあいだ、余韻に浸っていたが文庫を鞄の中へ戻すとカップに残った僅かなコーヒーを飲み干しカウンターから腰をあげる。そしてレジでコーヒー代を払うと女性は『ごちそうさま』と礼を告げ、ミチクサを後にした。女性の名前は、【ミョウジ ナマエ】。帝丹高校で国語を教えており、生徒からは親しみを込めて【アダ名】ちゃん先生と呼ばれる事もあった。趣味は、静かな喫茶店を見つけてはそこで読書する事。先程まで居た【喫茶 ミチクサ】はここ最近贔屓にしている店だった。雰囲気も良く、コーヒーが美味しい。学校が休みの日はこうして米花町の喫茶店を渡り歩いている。なので、帝丹高校の学生と出会う事も少なくはない。
5307【喫茶 ミチクサ】
コーヒーの香りが漂う店内にマスターの宮本とカウンター奥に座る女性が1人。宮本はコーヒーカップを拭きながら女性へと視線を向けた。女性は真剣な眼差しを左手の文庫へと落とし、その世界にのめり込んでいるようだ。宮本にはどんな物語を楽しんでいるのかまではわ分からなかったが、女性の真剣な表情を見ているこの時間が嫌いではなかった。ふと、文庫のページが残りわずかな事に気付き、宮本の口から小さなため息が漏れた。ペラ…ペラ…と読み進められていく物語。そして女性は最後の行を読み終えると静かにそれを閉じると『ふぅ…』と息を漏らした。どうやら今、体験し終えた物語に満足しているようだ。しばらくのあいだ、余韻に浸っていたが文庫を鞄の中へ戻すとカップに残った僅かなコーヒーを飲み干しカウンターから腰をあげる。そしてレジでコーヒー代を払うと女性は『ごちそうさま』と礼を告げ、ミチクサを後にした。女性の名前は、【ミョウジ ナマエ】。帝丹高校で国語を教えており、生徒からは親しみを込めて【アダ名】ちゃん先生と呼ばれる事もあった。趣味は、静かな喫茶店を見つけてはそこで読書する事。先程まで居た【喫茶 ミチクサ】はここ最近贔屓にしている店だった。雰囲気も良く、コーヒーが美味しい。学校が休みの日はこうして米花町の喫茶店を渡り歩いている。なので、帝丹高校の学生と出会う事も少なくはない。