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    ゆめの

    PROGRESS最近デビューしたばかりの黒橡が気になっている葵。
    そんな彼女のクラスメートの朝日奈唯は最近暗い表情を浮かべているのが気になるところ。
    だけど唯は正統派クラシックを嗜むため、黒橡に興味はなさそう。
    そう思っていた葵であるが、彼女が初めて黒橡のライブを予定していたそのとき、唯から意外なことを言われるが……

    ※書きかけです
    現時点ではふたりの進展はほぼなく、浮葉様の出番すらないです💦
    香りが教えてくれた恋の行く末「葵、今度の土曜日暇?」
    「あ、ごめん。その日は黒橡のライブチケット発売日なんだ」
    「黒橡、黒橡って、ちょっと時代遅れのビジュアル系どこがいいのよ」

    クラスメートの里穂の言葉に思わず苦笑してしまう。
    黒橡。堂本大我さんと御門浮葉様のふたりによるクラシック系ユニット。
    今年初めにデビューしたばかりで、ふたりが奏でる音色はクラシックのことがわからない私でも引き込まれてしまう。
    そして、演奏以外でもふたりはそれぞれ違った意味でカッコよく美しく私は見惚れてしまう。
    ネットやテレビ越しで見ていたふたりだけど、ようやく念願のライブ参戦が叶いそうで私は浮かれていた。

    「いいよ。わからなくて」

    里穂の言葉ももっともだ。
    黒橡のふたりは高校生でありながらも人生をどこか達観したところがある。
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    ue_no_yuka

    DONE奥原氏物語 1

    ようみつシリーズ番外編。花雫家の先祖の話。平安末期過去編。皆さんの理解の程度と需要によっては書きますと言いましたが、現時点で唯一の読者まつおさんが是非読みたいと言ってくださったので書きました。いらない人は読まなくていいです。
    鶺鴒 いつか罰が当たるだろう。そう思いながら少女は生きていた。

    四人兄弟の三番目に生まれ、兄のように家を守る必要も無く、姉のように十で厄介払いのように嫁に出されることもなく、末の子のように食い扶持を減らすために川に捨てられることもなかった。ただ農民の子らしく農業に勤しみ、家族の団欒で適当に笑って過ごしていればそれでよかった。あとは、薪を拾いに山に行ったついでに、水を汲みに井戸に行ったついでに、洗濯を干したついでに、その辺の地面にその辺に落ちていた木の棒で絵が描ければそれで満足だった。自分だけこんなに楽に生きていて、いつか罰が当たるだろう。そう思いながら少女は生きていた。

    少女が十二の頃、大飢饉が起こり家族は皆死に絶えたが、少女一人だけが生き長らえた。しかし、やがて僅かな食べ物もつき、追い打ちをかけるように大寒波がやってきた。ここまで生き残り、飢えに苦しんだ時間が単楽的なこの人生への罰だったのだ。だがそれももういいだろう。少女はそう思い、冬の冷たい川に身を投げた。
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