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    実在

    つるはし

    DONE※実在の地名とか出てきますが全部ファンタジーです。想像です。

    「きみは100億万ドル」CoCシナリオの探索者、ルカ・ステラートとその婚約者、ミッシェル・ド・バシュラールの話。
    ルカとミッシェル 3月下旬、14歳の春。まだ春というには寒い季節のことだった。それとも、あの日までは冬だったのかしら。

     イタリア本土とヴェネツィアとを結ぶリベルタ橋の上をゆく高級車は、一定のスピードで走り続けていた。空路を経由したフランスからの旅路も、ようやく目的地が見える頃だ。窓の外には美しい夕景が広がっているというのに、バシュラール公爵家の長女、ミッシェルは膝の上で組んだ手を睨むように凝視していた。
     相手の目を直視し続けないこと。いつもより小さな歩幅で歩くこと。声を上げて笑わないこと。相手の話にはひたすら相槌だけを返すこと。脚は組まないで揃えておくこと。父親の言いつけを頭の中で復唱する。ミッシェルにとって、それらは意識しなければ守れない約束事であった。会話するときは目を見て話すべきであり、胸を張って歩けば自ずと歩幅は大きくなる。楽しいときは声を上げて笑う方が気分がいい。自分の意見をはっきり述べて議論することは学生の本分だし、気取りたい年頃の女の子達はみんな、机の下で脚を組んでいるものだ。それを何一つ許されないミッシェルは、「私は所詮、お父様のマリオネットでしかないのね」と無表情の下で同乗する父親を罵った。
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    minaduki_comcom

    DONEウツハン♀お題botさんより
    お題【時間よ止まれ】

    ※実在の武器・武器重ね着の機能を捏造しています。実名は出してませんがご注意ください
    時間よ止まれ 弁解させてほしい。私は決して狩猟を舐めていたわけではないのだ。確かに最近調子に乗っていたのは認める。たとえ里の英雄猛き炎、王国の救世主の二つ名を戴いても、狩場では何が起こるか分からないのだから油断慢心生兵法は生死を分けるよと師からも耳にタコが繁殖するほど言い聞かされていた。でもね?まさか今更狩猟中一般通過ファンゴに轢き逃げされるとは思わないじゃん?

     ファンゴに轢かれる前段階としてに色々あった。あれはミレーネさんから預かった、試作の狩猟笛の試し切り(???)に密林を訪れたときのこと。なんでも遺跡より発掘された古代の遺産を再利用した…とかで、部品がプカプカ宙に浮いて、要所が光る不思議な意匠のこの狩猟笛。どんな原理で動いているのかは想像もつかないけれど、その音色は如何ほどか…とワクワク振り回してみる。しかし音色というほどのものはなく虫の羽音のように低くブゥン…ブゥン…と弦(だと思う多分)が唸り、一定の光量で光るだけ。3音演奏もあまり変わらず。なんだこれ笛だよね?遥か古代には音楽すら無かったとでもいうのか。連れてきたオトモアイルー2匹はビームサーベルだにゃ!いいやライトセイバーにゃ!ファンネル起動だにゃ!って騒いでたけど、私はあんまりピンと来なかった。だってせっかく見た目が派手なんだもの、もっとこう、格好良くピカピカ光とか音とか鳴ってもよくない?鉄蟲糸技を出すタイミングで『(てれれってれーれー)スライドビート!(打撃音)』とか鳴ったらヒーローみたいで面白いよね!(なお、このことを後に教官に相談したら「ただでさえ狩猟笛は目立ってターゲットになりやすいのに悠長に技名叫んで手の内気付かせてどうするの」ってほっぺた抓られた。解せぬ)帰ったらミレーネさんに報告しなきゃ。演奏できない笛なんて旋律効果も怪しいですよっと。
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