Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    心中

    tang_brmy

    PAST⚠️交際後捏造
    ひょんなことから付き合い始めた節衣都/静衣都の静さんは、どんな思考と行動をするかなと考えたらこうなった。
    名前呼びに切り替えるタイミングに意外と悩みそうとか。彼の負けず嫌いなところを垣間見たいという、己の需要を満たすためだけに書いた話です。地の文の衣都ちゃんの表記が前半は「弥代」、後半は「衣都」になっているのは静さんの意識や心中が変わったから。初めてCP成立している話を書きました
    pleasant 静が誰かの名前を呼ぶのは、基本的に苗字だ。呼ばれる当人からの自己申告がない限り、年上も年下も同性も異性も関係なく苗字で呼んで来たし、これからもそれは変わらない――と思っていた。

     ひょんなことから職場の人間から恋人へと関係が変わった相手を、どう呼ぶか。デスクに頬杖をついて悩みともいえない些細な思案にふけっていると、インターホンが鳴り、静は顔を上げた。
    「遅くにすみません」
    「いや、大して遅くもないだろ」
     ドアを開けて迎え入れたのは、恋人である弥代。静が所有している本を彼女が探していると知り『今日は終日在宅してる。夜、取りに来れば』と連絡したのは数時間前のこと。本部で残業があるという彼女の来訪が二十時過ぎになるとは事前に知らされていたし、寮飲みの時はもっと遅い時間に新開や樋宮の部屋に行くのだから、遅い時間だとは感じない。
    3435

    ひらい

    DOODLE乙を失ったから生きる理由はないけど、死にたい訳ではないし実際死ねない鯖人の話。
    書きたいところだけ書いたので時系列がすぐ飛ぶ。
    生死観諸々100%捏造。
    希死念慮は含みませんが、OD自傷行為心中未遂(相手死亡)を含みます。
    病んでるって括りたくないけど多分病んでる。
    CP要素は前提鯖乙のみ
    地獄はまだ遠い 元から、生命の意味だとかそういったものに深い意味を見出すタチではなかったけれど、彼女に対して抱くこの思いは、きっと生きる理由というものになるのだろうと、それくらいは人並みに思っていたのだ。
     だって、彼女との出会いは運命で。適当にしていても何不自由なく暮らせる程度には家庭に恵まれていた為に、ただ呑気に暮らしていた自分が、ようやっと世間一般で言うところのまともな仕事、だとかそういった類の方向性に向かおうと思えるくらい、鯖人の人生は彼女の存在で変わったのだ。
     けれど、これからという折に、彼女は一切の理由を告げることなく姿を消してしまって、自分の殊勝な心掛けは、瞬く間に三途の川に流された。

     なぜだか写真も全てが失われていたから、彼女の存在を証明するものなんて、忘れ形見の息子と、自分と両親の記憶だけ。河原で見つけた履き物や、着用していた衣服は、彼女の遺品と言えるだろうけれど、それは存在証明には繋がらない。せめて、ライセンスでもあれば、顔写真が残っていたのにと思ったけれど、それを質に入れたのはまごうことなき自分自身だ。生まれて初めて、質に入れなければ良かった、だなんて後悔を抱いた。
    3373