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    忍者

    96noScull

    DONE三天戦争直後の話。どらくまという忍者バトル(語弊はない多分)漫画に冥銭の話が絡めてあって、いつかネタにしたいな~と思っていたので。日本の三途の川の渡し賃とギリシャ神話のカロンの川の渡し賃、真田の六文銭が有名ですが、カロンの渡し賃は1オボロス=オボロス6枚で1ドラクマ=掌いっぱいのという意味。冥銭の文化があるとこは大抵燃やすみたいだけど日本とギリシャだけ『渡し賃』なの面白いですよね。
    カロンの畔にてごうごうと音を立てる濁流の前に、頼りなげな金髪の少年が立っている。
     やめろ、そっちへ行くな。
    「ねぇ、ココ君――」
     やめてくれ。

     君は冥銭を稼いでいるんだね。
     そう宣ったのは情報源の一つだった、大陸系の占い師の爺だった。
     死者があの世で困らないように、弔いのために燃やす金。
     赤音さんのことを知っている、そしてイヌピーのことも知っているという脅しだろう。
     これからも御贔屓に、と流暢な日本語で握手を求められた。食えない爺だった。
     握手をしながら片手ではその手を切り落とすための刀を握りしめているのが大陸流だ。
     関東卍會として動くようになって、金の使い方も派手になった。兵隊は金がかかるし、ましてやチンピラどもは鬱憤が溜まればどこぞになびきかねない。
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    あめつき

    CAN’T MAKE彼らの時代の死生観ってどんなだろうって考えてたら暗い話になったやつ。卒業後どこかに勤めてる設定。
    俯瞰的な文章を書けるようになりたいのに一人称擬きを書いてしまった。
    実際の伊作くんはこんなうだうだ考えなさそうだし、そもそも忍者よりも町医者とかになってそこそこ平和に暮らしてそう。てかして欲しい。
    memento mori人は死んだら何処へ行くのだろう。
    どこかの坊主の教えでは、仏となって浄土で往生すると言っていた。最近南蛮から渡来した信仰では、信じ祈れば神の身元へと導かれるらしい。

    伊作はどこか上の空になった頭でそんな聞き齧った程度のことを考える。手元は未だ血に塗れ、持っていた苦無を取り落としそうになる。こと切れる前の人間を前に物思いに耽る。
    どうして忍者になろうとしていたのか、初心なんて今はもう思い出せない。いや、そうではない。覚えているがあの頃の自分が思い描いていた未来と、今目の前にある現実は酷く乖離していてここまでの道程に対して疑心を抱く。

    忍びの術を学ぶ場所で、伊作は忍術だけでなく医術を学んだ。よっぽど向いていたのか六年間で十分すぎる知識を修めた。医術は人を生かすことを知ると同時に、どうすれば人は死ぬのかということを他の何よりも直接的に彼に知らしめた。これから戦乱へと身を投げる彼にとってはこの上無く有利になる知識であった。
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