夢一夜【オル相】　こんな夢を見た。
　胡座を掻いて座っていると、裸の相澤くんが私の前にやって来て静かな声で持ち上げてください、と言う。相澤くんは黒い長い髪を耳にかけ、顔の半分を隠している。鈴のついた黒い首輪をしていた。何も身につけていないのに、二の腕までの長い黒い革手袋と、黒いハイヒールを履いていた。持ち上げるのは簡単だけれどどうすれば良いのかとぼんやりしていると、相澤くんは片足を上げて私の肩に乗せた。なるほど、と思って太腿を下から支えると、もう片方の足も器用に乗せて来た。
　こちらを見つめる猫でも乗り移ったような相澤くんの黒眼の広沢を眺めて、あまりの軽さに風船でも持ち上げているのかと思った。ところでどうして持ち上げられたかったんだい、と聞くと、相澤くんは黒い眼を眠そうにみはったまま、やっぱり静かな声で、持ち上げられたかったんで、と言った。

もっと素直に強請ってよ　久しぶりに見つけたそれは日記というより、まるで恋物語のようだった。

　縦横均等に、きっちりと整列するマス目の端には数字が書き示されている。日記帳と呼ぶにはあまりにも一つあたりの枠が小さすぎて、これではその日の昼食の感想すら書けやしない。まぁそもそも、予定を書き込むだけのスペースしか確保されていないのだから、当然と言えば当然なのだが。

　三年前に使っていた、都々丸の胸ポケットが定位置であったそれは社会人にとっては必需品であるスケジュール帳だ。狭い枠の中には、数年前の自分の感情が溢れ返っていた。本来は予定だけしか記されないそこに所狭しと小さな文字で綴られるのは、あの頃ロンに恋をしていた自分の溢れんばかりの想いの欠片だ。

【彩良】失明刚进门的时候我就应该发现气氛不对的，但和他在一起总是让我松懈。首先是过于厚重的窗帘，在我走进卧室完全是关上的状态。他坐在床边擦着刚刚洗过尚且挂着水珠的头发。屋里没开什么灯，我想还因为今天下雨的缘故，才让我提前便接受了屋里或许会过于昏暗的可能性。他没有给我开灯的机会，说是他故意为之也有点奇怪。只是每次我想去触碰那个开关时，他总是让我拿这个、拿那个，机会就这么被错过了。
所以被夺去视觉的时候，我承认自己确实粗心大意了些，这一切是蓝良事先设计的吗？回头想来又很顺理成章：我们只是像往常一样地亲吻，栽进那张对于人的身体健康来说过于柔软的大床上。我说了一句什么，大概是蓝良又变胖了一类吧。他照例是那副气急败坏的表情，拿起旁边的毛巾，叫我不要看。