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    戦国時代

    ナナシ/ムメイ

    DOODLE1本目→寒すぎて五半をくっ付けたかった。(動機に邪念しかないがまた銀婚式夫婦)
    白狐の毛皮は秋野さんが前に書いたネタから拾いました。手入れすれば長持ちするんだそうで。
    羽織は戦国時代からとか調べはしたけどなんか違ってるかもしれない。

    2本目→でっかーい五右衛門がちっちゃな柘植櫛摘まんでにこにこ半蔵の髪すいてたら可愛いなって

    (言葉遣いは元が割と現代風混じってラフなので細かくやってません)
    ■ 冬の五半╱ぬばたまの動物というのは人が思うより頭が良い。
    息も白む冬の最中、いつの間にやらするりと入り込んだ猫が書き物机の隣に置いた火鉢に背を着け丸まり、ごろごろと喉を鳴らしていることなどもままある。

    しかしまあ、逆に時折、人であっても動物より頭がよろしくないのではないか、と思う時もある。
    半蔵は暫し席を立った間にどこから乗り込んで来たやら、火鉢の傍で身を縮めていたそれに溜息付きつつ呼びかけた。

    「……五右衛門」
    「なんだァ?」
    「冬の間は山越えが危のうてかなわぬから、滅多に来るなと言うたじゃろう」
    熊かと思うて背筋が冷えたわ、と半蔵は帯に忍ばせた短刀を再びしまいながら呟いた。火鉢の前に黒い毛皮の小山が見えた時には本当に熊かと思い一瞬肝を冷やしたのだった。
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    せがわしょうこ

    MOURNING架空戦国時代の武将が現代の霊媒少女に呼び出されてボンボンを守る話
    今日から俺が美少女戦士!今日から俺が美少女戦士!



     火の手が上がる。
    「千代丸様!」
    「権左、やめろ!」
    「いやあ、槍の腕では負けませんよ」

    「あんたはいずれ名君になる人だ。こんなところで、死んじゃあならんのです」
    「いやだ、権左、権左……!!」


     無数の矢が身体中に刺さり、今度はその上からずぶりずぶりと槍で刺し貫かれる。それでも先に進ませぬようにと立ち塞がった。ああ、弁慶の最期もかくあったのだろう。目の前が暗く霞んでいく中で、ただ、千代丸様の鈴の音のような声が頭に響いていた。
     ああ、千代丸様、俺の死などで泣かんでください。女の袿を被るなり、何なりして、逃げてくれ。そして、夢見たような理想の殿様になって……。


     殿様の可憐なお小姓が、俺に肌を許し、その上で自分の夢を語った。領民を蹂躙させてなるものか、などと理想を熱く語るその美しい姿に、いつしか見惚れてしまっていたのだ。五年前に死んだ俺の妻も、新たな主人を尊ぶことを許してくれるだろう。このお勤めが終われば、千代丸様の臣下としていただけるよう殿に打診しようと思っていた。
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