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    新宿

    昆布だしあきら

    DONE隣の道場で虐待されてるショタ新宿くんと隣のアパートに住んでるテロリ。お前の神になってみたかった。
    隣の家のガキ隣のガキは不登校で虐待児だ。

    だからなんだという話だがそれで迷惑を被っているのだから文句のひとつやふたつ言ったっていいだろう。隣といってもあちらは戸建ての道場でこちらはアパートだ。問題は数十cmしか離れていない上にアパートの壁は少し力を入れたら破りかねん薄さだということ。アパート側の人間の生活音も気にはなるが割愛する。道場もそうたいして離れていない上に薄い壁のせいでまあまあ聞こえるのだ、聞きたいわけでもない音が。ガキの泣き叫ぶ声が聞こえたならそれはそれで近所のお節介が気を回すだろうに、殴打と父親の怒鳴り声、押し殺した啜り泣き、たまに食器だかの割れる音。抑えられた喧騒と道場だという外面、それもあって表立っていないだけだろう。これが昼夜問わずだから他の家庭なんぞ興味のない俺でも「ああ、虐待か」と断じれる。実はお節介どもも介入したことがあるのかもな、俺には関係のない話だが。だがこれが改められることはない。これがこの区画の日常なのだから。そう、そう思っていた。顔を突き合わせたことのないガキだったのだ。
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    hayasugiru

    MAIKING二人が乗ってるのは宇都宮線直通湘南新宿ライン小金井行きです。
    短い10両編成で参ります。
    虎豪# 少年早熟ライン

    「今度、フォワードの強化合宿が開かれるそうだ」
    ある日の練習後、虎丸は豪炎寺に呼び止められて、そんな話を聞かされた。いったいなんの用かと思った。このあと虎之屋で夕飯を食べようというお誘いかと思ったので虎丸はずいぶんがっかりした。
    「ふーん。オレも参加できるんですか?」
    「ああ、ただし、受講生としてではなく、講師枠なんだ」
    「は? コウシ?」
    「先生役だよ」
    「そんなの分かってますよ。馬鹿にしないでくださいよ」
    ――そんなのオレにできるのかなあって言ってるんですよ。
    そうぼやいた虎丸に、「なんだ? 自信がないのか」といかにも意外そうに豪炎寺は返してきた。
    「自信っていうか……」
    自分はまだ1年生になったばかりだ。まわりはきっと年上の選手ばかりだろう。年下の自分からサッカーを教えられて、素直に言うこと聞ける人なんているんだろうか? 『うまく』やらなきゃいけないんだと思うと、気が重くてとても参加したいと思えない。ただでさえ、見ず知らずの選手たちとうまくやれる自信はまったくない。そういうのは、サッカーが好きな気持ちとは別なんだ。豪炎寺はそれがよく分かっていない、と虎丸は思う。鈍いというか、強いというか、とにかくマイペースな人だと日々感じている。だからこそ豪炎寺とならどんなフォーメーションでも組めるんだとも思うけど。
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