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    いと(ito_rin_mori)

    DONE20241115 ~20241117
    ホー常WEBオンリー「暁の鷹は月と添う4」展示作品
    開催中、足を運んで下さった皆様、ありがとうございました🐥

    両想い 年齢設定不明なのでお好きにどうぞ
    ふと過去の経験を🐥くんに聞くホ師
    不意に近づく息 床に座り、対面した状態でさわさわと両手で頭部を触られている。仮にも恋仲であるならば、その触れ合いに幾何かの熱や甘さがあっても良さそうだが、そういうものは伝わってこない。恋仲になるその前からも、頭を撫でられることはあった。元より幾分、手の主は他人に対して距離の近い性質があった。そこに多少なりとも周囲よりも後輩として気にかけられていたとは感じている。身長差が丁度良かったこともあるだろうが、その触れ合いは単に幼子への称賛対応に似ていた。少々悔しさはあったが、かと言って不快ではなかった。さて、要するに眼前の彼は常闇の感触が人の頭皮とは違うから気に入ったようだった。
     しかしながら、二人の関係が少しばかり変化した頃から、こうやってただひたすら感触を楽しむような触れ方をしてくるようになった。無機質とまではいかないが、これまでの褒美をくれるような特別な触れ方と違っており、少なからず戸惑った。恋仲の方がむしろ情熱的になりそうなものなのに、違っていたのだ。いつも唐突に始まり、わしわしと心地よい程度の乱暴さで触れられ、本人が満足したらなのか知らないが唐突に終わる。不思議ではあるが、嫌なわけではないので常闇は好きにさせている。しかし、熱がないとはいえ、恋仲の大きな手で触れられれば心臓は高鳴り、身体は緊張をする。そんな常闇の心境を知ってか知らずか、今日もまたホークスは両手で常闇の頭を撫でていた。頭部から後頭部へ移る手を、常闇は少し頭を下げて目を閉じて受け入れていた。両頬が包まれ、小指の先が首元に触れ、くすぐったさに首を竦めた。親指が嘴の根本をかすり、ぴたりと手が止まった。どうしたのたのかと目を開けば、ホークスがじっと嘴を見つめていた。
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    いと(ito_rin_mori)

    DONE20241115 ~20241117
    ホー常WEBオンリー「暁の鷹は月と添う4」展示作品
    開催中、足を運んでくださった皆さま、きありがとうございました🐥

    無自覚両片想い未満
    インターン中の二人の一コマ
    意味なんかないはずだけど ノックして部屋を開けて、ぴたりと固まった。部屋の主がスマホ片手に通話をしていた。どうぞという声はかけられていたので、電話中だとは気づかなかった。特段急ぎの用でもないので、会釈をしてドアを閉めようとしたが部屋の主であるホークスに手招きをされた。相槌を打ちながらも器用においでと口と手の仕草で伝えてくる。若干遠慮はあるが、引き留めたということは直ぐに終わる算段なのだろう。一瞬だけ迷ったが断わるのも失礼な気がして、なるべく音を立てないようにドアを閉め、窓際に立つ彼へ近づいた。
    「事前に調査とか必要なことがあれば、こっちでもしておきますよ」
     朗らかな応対だが、内容はきっとチームアップ要請だろう。ただでさえ忙しいのに、呼ばれた任務の事前準備まで買って出るとは感心を通り越して呆れも出てくる。元よりワーカホリックな上に、自分でこなした方が早いのは事実なのだろうが、単に自分で情報を収集をしないと満足しない性格でもあるのだろう。長いとは言い切れないが、それなりの時間を共に過ごした中で、常闇はホークスに対してそういう評価をしていた。
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    nachi_osora

    DONE桜木棗様(@na2me84)の神台詞「あんたのことは身体が覚えてるから」から妄想がたぎりにたぎって書き上げたK暁です。
    エンディング後現世に体持ちで戻ってきたものの、暁人くんを『普通の世界』に還してあげたくて塩対応を繰り返すKKと、全部わかってて側にいたくて追いかけてる暁人くんのお話です。
    まぁ塩対応とか言ってますが、書いてるのが私なので最終的には暁人くんの粘り勝ちです。
    全部覚えてる「逃げたって無駄だよKK」
     後ろからかかった声に、KKは大きくため息をつく。
    「もうくんなつっただろうが、クソガキ」
     わざと苛立ちを前面に押し出して顔すら見ずに伝えたのに、大きな子供はけしてめげることがない。これはいったい何度目の問答だろう。
    「あんたが僕を、普通の世界に還そうとしてくれるのはわかってる」
     わかっているならば大人しく言いつけをきけばいいのに、この跳ねっ返りときたら少しも聞きやしない。
     そのまま無言を貫き、いつもと同じく振り返らずに去ろうとしたとき、「でもさ」と暁人が続けた。
    「あんたのことは身体が覚えてるから」
     とんでもないセリフに息を吸い込み損ね、思わずむせて青年を見てしまった。ばちりと視線が合う。久方ぶりに正面から見た暁人は、勝ったとばかりにほくそ笑んでいて腹立たしい。
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