梨
ナツメ
PAST遙か2現代(または京ではないところに住んでいる京)エンド後の泰継×花梨
そろえるということ「泰継さん?」
自分は他のものと速さが違う。泰継が自覚したのは、少女を北山で拾うより数十年より前のことだ。
まず、他のものより、時の流れが遅い。この世に、かりそめの生を受けて百年近い時を過ごそうと、姿はそう変わっていない。しかし、皆がすぐに理解することは、かなり後になってから理解する(なんなら理解できないことも多々、ある)。だが陰陽術の覚えははやく、兄弟子たちをあっさり追い越してしまって、反感や畏怖を買った。近頃は、そんなことを思い出すことが増えた。というか、あれが「反感を買った」という状態だったのだと気付き、理解した。もう数十年前のことなのに、目の前がにわかに暗くなるのは、心のかけらを取り戻したからか。もともと持ち得ぬものだったのに。
1863自分は他のものと速さが違う。泰継が自覚したのは、少女を北山で拾うより数十年より前のことだ。
まず、他のものより、時の流れが遅い。この世に、かりそめの生を受けて百年近い時を過ごそうと、姿はそう変わっていない。しかし、皆がすぐに理解することは、かなり後になってから理解する(なんなら理解できないことも多々、ある)。だが陰陽術の覚えははやく、兄弟子たちをあっさり追い越してしまって、反感や畏怖を買った。近頃は、そんなことを思い出すことが増えた。というか、あれが「反感を買った」という状態だったのだと気付き、理解した。もう数十年前のことなのに、目の前がにわかに暗くなるのは、心のかけらを取り戻したからか。もともと持ち得ぬものだったのに。
ナツメ
CAN’T MAKE遙か2現代エンド後の泉水×花梨の水族館デート
たとえ時空を越えても 鳥羽離宮は好きだったが、海の中に入ろうと思ったことはない。まして、海には魚のほかに獣がいるなどと、京にいたら知ることはなかっただろう。アクリル板の向こうでうたた寝している海獣を見て、泉水は思わず息を詰めた。
「かわいいですね、アザラシ」
「ええ、最初はとても驚きましたが」
花梨が声をかけてくれて、詰めた息をほうと吐き出す。言われてみれば、たぬきのようで可愛い……ような気がする。
海獣だけではない。色とりどりの熱帯魚も、海亀や鱶も、蟹や海老も、どれも泉水にはおぞましく、また新鮮だった。
それらはスーパーマーケットで売られている見慣れた魚と並んで展示されており、だがひとならぬものを幼い頃から見ていた泉水には、むしろ馴染みがあるような気もしてきて──大きな水槽を眺めているうちに、もともと水辺を好んでいたこともあり、段々と気持ちも穏やかになった。
1029「かわいいですね、アザラシ」
「ええ、最初はとても驚きましたが」
花梨が声をかけてくれて、詰めた息をほうと吐き出す。言われてみれば、たぬきのようで可愛い……ような気がする。
海獣だけではない。色とりどりの熱帯魚も、海亀や鱶も、蟹や海老も、どれも泉水にはおぞましく、また新鮮だった。
それらはスーパーマーケットで売られている見慣れた魚と並んで展示されており、だがひとならぬものを幼い頃から見ていた泉水には、むしろ馴染みがあるような気もしてきて──大きな水槽を眺めているうちに、もともと水辺を好んでいたこともあり、段々と気持ちも穏やかになった。
ナツメ
PAST遙か2現代エンド後の翡翠×花梨
夜の海夜の海へ行きませんか。そう誘ったのは花梨のほうだった。京の暗闇を恐れていた彼女はしかし、こちらの世界の夜の明るさには恐怖を感じてはいないようだった。久方ぶりに潮風を浴びながら、翡翠は思う。
翡翠はといえば、こちらの世界にやってきてすぐ、夜が夏のように短く、どこも明るいこの世界に辟易した。昔どこかの別当が、夜の間も灯りをともしつづけたらどうか、とことあるごとに提案していたが、翡翠はやはり、首を横に降り続けるだろう。夜の間も灯りをともしつづけたら、眠りが浅くなるだけではないか。眠りとはすなわち、休息である。昼も夜も、京では考えられないほど──否、京の貴族には考えられないほど──こちらの世界の民は働いている。夜釣りに勤しむ漁船もそうだ。そんなに働いては寿命が縮む、と思いたいところだが、食べるものがよいのか、こちらの世界の寿命はあちらの世界の三倍はある。まったくどうなっているのやら。
578翡翠はといえば、こちらの世界にやってきてすぐ、夜が夏のように短く、どこも明るいこの世界に辟易した。昔どこかの別当が、夜の間も灯りをともしつづけたらどうか、とことあるごとに提案していたが、翡翠はやはり、首を横に降り続けるだろう。夜の間も灯りをともしつづけたら、眠りが浅くなるだけではないか。眠りとはすなわち、休息である。昼も夜も、京では考えられないほど──否、京の貴族には考えられないほど──こちらの世界の民は働いている。夜釣りに勤しむ漁船もそうだ。そんなに働いては寿命が縮む、と思いたいところだが、食べるものがよいのか、こちらの世界の寿命はあちらの世界の三倍はある。まったくどうなっているのやら。
ナツメ
PAST遙か2現代エンド後、幸鷹の誕生日を祝う幸鷹×花梨
幸福帰ってきて一番気になったのは、時計の音だった。不快というほどではないが、やたらと耳につく。見えない何かに追いたてられるようで、理由もなく、焦った。
あの世界はほとんど無音と言ってもいいくらい、静かで、シンプルで、必要なものが少ない、おおらかだがミニマムな場所だった。だからだろうか。
「幸鷹さん、お誕生日おめでとうございます」
「ああ、ありがとうございます。開けてもよいでしょうか」
彼女と手を繋いでこちらの世界に渡ってきて、最初に思い出したのは自分の誕生日だった。それから当時の住所や電話番号、家族のこと、それまでは必要ではなかったものを思い出した。砂時計が落ちていくように、とめどなく、一定の速度で。
「……時計、ですか」
651あの世界はほとんど無音と言ってもいいくらい、静かで、シンプルで、必要なものが少ない、おおらかだがミニマムな場所だった。だからだろうか。
「幸鷹さん、お誕生日おめでとうございます」
「ああ、ありがとうございます。開けてもよいでしょうか」
彼女と手を繋いでこちらの世界に渡ってきて、最初に思い出したのは自分の誕生日だった。それから当時の住所や電話番号、家族のこと、それまでは必要ではなかったものを思い出した。砂時計が落ちていくように、とめどなく、一定の速度で。
「……時計、ですか」
ナツメ
CAN’T MAKE遙か2現代エンド後、花梨と喧嘩しちゃったイサト
はんぶんこ 花梨と喧嘩した。
理由は、些細なことの積み重ねで、これといった理由はない。ちょっと疲れが溜まってたとか、いつもなら気にならないことが気になったとか、そんな感じだ。
かっとなって出た言葉で、無闇に傷つけたりしないように──泣かせたりするのはごめんだ──頭を冷やそうと、ちょっと涼しくなった街に、ひとりで出る。なんか、変な感じだ。いつもは花梨といるから。
あてもなく街をぶらついて、夜も走ってようか、なんて思う。京にいた頃はそんなことできなかった。こっちの夜はやたらと明るい。だけど、24時間営業の店が無くなったら、とは考えられない。オレもすっかりこっちの人間だな、と思う。
そんなことを考えながら、目についたコンビニに入る。別に欲しいものがあるわけでもないし、なにか買うならスーパーのほうが安い。そんなことも覚えたが、オレは結構コンビニが好きだ。初めてアイスを食べたのが、コンビニの前だったからだ。
842理由は、些細なことの積み重ねで、これといった理由はない。ちょっと疲れが溜まってたとか、いつもなら気にならないことが気になったとか、そんな感じだ。
かっとなって出た言葉で、無闇に傷つけたりしないように──泣かせたりするのはごめんだ──頭を冷やそうと、ちょっと涼しくなった街に、ひとりで出る。なんか、変な感じだ。いつもは花梨といるから。
あてもなく街をぶらついて、夜も走ってようか、なんて思う。京にいた頃はそんなことできなかった。こっちの夜はやたらと明るい。だけど、24時間営業の店が無くなったら、とは考えられない。オレもすっかりこっちの人間だな、と思う。
そんなことを考えながら、目についたコンビニに入る。別に欲しいものがあるわけでもないし、なにか買うならスーパーのほうが安い。そんなことも覚えたが、オレは結構コンビニが好きだ。初めてアイスを食べたのが、コンビニの前だったからだ。
ナツメ
CAN’T MAKE遙か2勝真現代エンド後の勝真×花梨
いつか いつか京を出て、どこかに行けたらいい。あの頃はぼんやりと、そんなことを考えていた。単調で代り映えのない毎日に、いいようのない閉塞感から「末法の世だ」と世を儚んだり、他人に八つ当たりしてしまったり、なんてことは日常茶飯事だった。
それは京を出てからもそうで、「いつかは」なんて嘯いて、なにも変えようとしなかったのは他ならない自分だと気付いた。となりで、笑っている花梨に出会って。
その日は行楽日和だった。まだ日射しには夏の名残を感じはしたが、秋めいた風が、出会った頃よりすこし伸びた花梨の髪をなびかせていた。いつまでも紅葉が降る京で、揺れていた彼女の前髪を思い出す。
「……あそこか?」
「はい、あそこです!」
989それは京を出てからもそうで、「いつかは」なんて嘯いて、なにも変えようとしなかったのは他ならない自分だと気付いた。となりで、笑っている花梨に出会って。
その日は行楽日和だった。まだ日射しには夏の名残を感じはしたが、秋めいた風が、出会った頃よりすこし伸びた花梨の髪をなびかせていた。いつまでも紅葉が降る京で、揺れていた彼女の前髪を思い出す。
「……あそこか?」
「はい、あそこです!」
いと@it0c0c
DOODLECoC「誰がロックを殺すのか」特にネタバレはない落書き
KP あべるさん[@Abel_Roid]
HO1:Ba 宇井昴/六月さん[@_6gatsu]
HO2:Key 鵥奏澄/いと
HO3:Dr 出雲楓/ゆんさん[@yuzuhassakukoi]
HO4:Gt.Vo 高藤美乃梨/いまやさん[@imaya346] 5
百合菜
DONE遙か2・頼忠×花梨←勝真。勝真視点の話です。「最近、花梨かわいくなったよな」。そう話すイサト。
しかし、勝真には変わったようには見えない。
そんなとき、花梨・頼忠とともに神護寺に行くことになる。そこで勝真が気づいてしまったのは……
※2021年6月23日Twitterに掲載
「花梨、最近かわいくなったよな」
そうイサトが話したのは京の町に雪が降りだした頃。と言っても、今年は気が交わらなかった関係でいつもより遅いんだけど。
「そうか? 俺にはそうは見えねーけど」
イサトですらと言っては失礼かもしれないけど、女の様子にいちいち気づくようには見えないあいつがそう言うんだから、そうなのかもしれない。
そう思いながら脳内に花梨の姿を思い浮かべる。
京にいる女としては珍しく男のように髪を短くし、怨霊退治のため町やときには野山も駆け巡る。
その姿はかわいいというより健気で、それでいてときには無茶をしやがるから心配になってしまう。
でも、イサトが言うように、あいつそんなにかわいくなったか? 俺には前と変わっていない気がするんだが。
1921そうイサトが話したのは京の町に雪が降りだした頃。と言っても、今年は気が交わらなかった関係でいつもより遅いんだけど。
「そうか? 俺にはそうは見えねーけど」
イサトですらと言っては失礼かもしれないけど、女の様子にいちいち気づくようには見えないあいつがそう言うんだから、そうなのかもしれない。
そう思いながら脳内に花梨の姿を思い浮かべる。
京にいる女としては珍しく男のように髪を短くし、怨霊退治のため町やときには野山も駆け巡る。
その姿はかわいいというより健気で、それでいてときには無茶をしやがるから心配になってしまう。
でも、イサトが言うように、あいつそんなにかわいくなったか? 俺には前と変わっていない気がするんだが。
riuku_n
DONEO・WA・RA・Iアイドルえりか、お誕生日おめでとうー!デレステはじめたころにSRぷるるんスポーティがきてくれて、しばらくうちのCu編成レギュラーでした。
(ナイスバディで身長体重の設定がリアルっぽいの好きなポイント)
赤西瑛梨華生誕祭2021 2
maguro_is_tuna8
MEMO「鬼の棲む」作:さんとなな様KP:春ちゃん
PL:八坂まぐろ/相原愛梨
お疲れ様でした~~!!素敵なシナリオでした・・・
こんないい子に育てた覚えはないのにいい子になっていくな・・・
sterilesoil_B
DONEアダチさんは動じない7話目。AV鑑賞漫画。閑話休題「アダチ君と高梨さん」
アダチ君はスケベなので涼しい顔して普通にAV見ますよ。
「好き」って言うより「ヤラシイこと言う」方がまだマシ。という性格。
エッチではないのでフォロワー以外にも公開。 7
🐱🐰♡🐧🐧
DONE #プラメ彼カノちゃん箱詰め素敵なタグがあったのでお借りしました✨
(7/25 カラー追加)
きっとうちの慶梨宮はこんな会話してる↓
ᕱ⑅ᕱ<け、けいくん近くない?!しかもネクタイ解いてる…!///
^._.^<えー?いつもこのくらい近いじゃん♡梨宮さん真っ赤になってかーわい♡ 2
紙パック
DOODLE秩父弁で何を言っているん?の解説二枚目が解説&群馬での言い方(赤字)
本当の秩父弁は隣接する群馬と山梨の方言を合わせた感じです。今回は群馬に近い方言を集めました。
文字だと似ていないけど、声に出したら似ているかも
追記:似すぎていてミスった。ツイ消したもん 2