灰
takomin(二匹目)
DOODLEコンビっぽいを拗らせた結果。一つ目よりもちょっと腐要素が強めです。
ワンクッションにワンクッションを重ねる…ツークッションですね…
鍵は、灰色の方の本名を愛称で。頭文字は大文字。 20
まどろみ
MOURNING七灰。察しの悪いシリーズが完結した。ハッピーエンド察しの悪い灰原3呪術界の忘年会、灰原は高専教師として、七海は呪術師としてそれぞれ参加していた。会場も温まり代わる代わる人が動き出した頃、灰原の隣に神妙な面持ちの七海が座った。
「灰原、飲んでるか?」
「飲んでるよ〜。七海はどう〜?」
「人並みには」
七海は人より酒が強いためちょっとやそっとじゃ酔わない。対して灰原は量は飲めるのだが普通に酔いはするタイプだった。現に顔は紅いし口調もいつもより間延びしている。だが長年の付き合いで七海は知っている。どれだけ酔っても彼が意識を飛ばしたり記憶を無くしたりしないことを。
だからこそ、今日という日に仕掛けることにしたのだ。七海はある覚悟を決めていた。
「灰原は結婚する予定があるのか?」
「え?ないよ〜?突然なんで?」
1799「灰原、飲んでるか?」
「飲んでるよ〜。七海はどう〜?」
「人並みには」
七海は人より酒が強いためちょっとやそっとじゃ酔わない。対して灰原は量は飲めるのだが普通に酔いはするタイプだった。現に顔は紅いし口調もいつもより間延びしている。だが長年の付き合いで七海は知っている。どれだけ酔っても彼が意識を飛ばしたり記憶を無くしたりしないことを。
だからこそ、今日という日に仕掛けることにしたのだ。七海はある覚悟を決めていた。
「灰原は結婚する予定があるのか?」
「え?ないよ〜?突然なんで?」
まどろみ
MOURNING七灰。転生if。双方記憶あり。クレープを紙ごと食べる七の話。口は禍の元前世の恋人と再会できるならどんな状況でもいい。会えることの方が重要だから。そう思ってはいたが、これはあんまりではないか?
***
学校の最寄り沿線の某商店街。
七海は今世の同級生(前世の後輩)たちに連れられてクレープを食べにやってきた。人混みの中を歩き続けると虎杖がある一点を指差して七海の腕を引いた。
「あった!あの店だよナナミン!」
クレープなんてどれも同じじゃ…と考えていた七海の思考を見抜いての行動だろう。よっぽど楽しみにしていたのだろう。釘崎や伏黒も心なしか浮き足立っていた。
「…人気店なんですね」
店先には老若男女が列を作っている。
「ボケっとしてないで私たちも並ぶわよ!」
釘崎に促され行列の最後尾に向かう。前のグループからメニューを渡されたその時だった。
1583***
学校の最寄り沿線の某商店街。
七海は今世の同級生(前世の後輩)たちに連れられてクレープを食べにやってきた。人混みの中を歩き続けると虎杖がある一点を指差して七海の腕を引いた。
「あった!あの店だよナナミン!」
クレープなんてどれも同じじゃ…と考えていた七海の思考を見抜いての行動だろう。よっぽど楽しみにしていたのだろう。釘崎や伏黒も心なしか浮き足立っていた。
「…人気店なんですね」
店先には老若男女が列を作っている。
「ボケっとしてないで私たちも並ぶわよ!」
釘崎に促され行列の最後尾に向かう。前のグループからメニューを渡されたその時だった。
くうき@じゅじゅ夢
MAIKING高専 | 七i海i灰i原 | 夢 | 名前固定 | 3人交際同期3人でアイスを食べる。からの、フェ.ラ.表現有り
パスワードの質問
「18歳以上ですか?」
yes / no でお答え下さい。 3257
まどろみ
TRAINING七灰。タイムカプセルを開ける話。メリバタイムカプセル≒恋文珍しくもない五条の呼び出しに応答し二つの箱を持って帰宅した。片手で持てるくらいのサイズのそれはタイムカプセルだ。手渡されるまですっかり存在を忘れていた。十年前の今日、先輩の思い付きがきっかけで作ったものだった。一つは自分のもの、もう一つは…同級生の灰原のもの。「本人がいないから仕方ないだろ」という彼の手には、取りに来れない人間の分を含めて二つの箱があった。差し出されたものを固辞しようとしたが「それはお前が開けるべきだ」と家入にまで言われては持ち帰るしかなかった。
手始めに自分の名前が書かれた箱を開ける。中には手紙と当時好きだった作家の文庫本が一冊。手紙には当たり障りのない文章が羅列されており、すぐに読み終わってしまった。当時は自分でこれを読むとは思ってなかったのだ。呪術界という万年人手不足のこの業界、後ろ盾のない身では早々に切り捨てられるだろうと。だから誰に見られてもよいものにしたのだったと当時を振り返る。後ろ向きな気持ちで作ったものに哀愁や懐かしさなんてかけらもない。というより、手渡された時からもう一つの箱にしか意識は向かなかった。唯一の同級生、灰原雄のタイムカプセル。これを作った数か月後には儚くなってしまった彼だが、未来の彼自身に一体何を残したのか。勝手に見てしまうことへの謝罪をしつつ彼の分の箱を開ける。中に入っていたのは手紙と旧式の携帯電話と充電器。これを作る少し前に新しい機種にしたんだーと言っていたな、と当時を振り返る。随分昔の話なのに、彼のことならすぐ思い出せてしまうことに苦笑する。携帯を充電し電源を入れると暗証番号四桁を求められた。彼にプライバシーやセキュリティなんて概念があったのかと驚きつつ誕生日や身長など知りうる情報を入れるがどれも違うようではねられてしまった。仕方なく見るのが怖くて後回しにしていた手紙を開封する。一枚の紙には、懐かしい彼の筆跡で僕の好きな食べ物を英語で!とだけ書かれていた。彼の好きな食べ物、米だ。それが何だ…と考えているところに携帯が目に入る。暗証番号は数字だとばかり考えていたがどうやら違ったようだ。無事ホーム画面に移り、操作しているとメール欄の中に一件の未送信の下書きを見つけた。
1935手始めに自分の名前が書かれた箱を開ける。中には手紙と当時好きだった作家の文庫本が一冊。手紙には当たり障りのない文章が羅列されており、すぐに読み終わってしまった。当時は自分でこれを読むとは思ってなかったのだ。呪術界という万年人手不足のこの業界、後ろ盾のない身では早々に切り捨てられるだろうと。だから誰に見られてもよいものにしたのだったと当時を振り返る。後ろ向きな気持ちで作ったものに哀愁や懐かしさなんてかけらもない。というより、手渡された時からもう一つの箱にしか意識は向かなかった。唯一の同級生、灰原雄のタイムカプセル。これを作った数か月後には儚くなってしまった彼だが、未来の彼自身に一体何を残したのか。勝手に見てしまうことへの謝罪をしつつ彼の分の箱を開ける。中に入っていたのは手紙と旧式の携帯電話と充電器。これを作る少し前に新しい機種にしたんだーと言っていたな、と当時を振り返る。随分昔の話なのに、彼のことならすぐ思い出せてしまうことに苦笑する。携帯を充電し電源を入れると暗証番号四桁を求められた。彼にプライバシーやセキュリティなんて概念があったのかと驚きつつ誕生日や身長など知りうる情報を入れるがどれも違うようではねられてしまった。仕方なく見るのが怖くて後回しにしていた手紙を開封する。一枚の紙には、懐かしい彼の筆跡で僕の好きな食べ物を英語で!とだけ書かれていた。彼の好きな食べ物、米だ。それが何だ…と考えているところに携帯が目に入る。暗証番号は数字だとばかり考えていたがどうやら違ったようだ。無事ホーム画面に移り、操作しているとメール欄の中に一件の未送信の下書きを見つけた。
まどろみ
TRAINING七灰というか七→灰。物事をあまり深く考えない灰を曲解した。頭がいい灰原くん灰原雄は頭がいい。それを知ったのは中間テストが返ってきた時のこと。いつもと変わらぬ顔で全教科満点のテスト用紙を手に「考えなくてもわかるよね?」などとぬかしてきたからだ。物事を深く考えないと常日頃言っているがなんてことはない、単に考えなくても『わかる』人種なのだ。そんな彼が呪術師になった理由は常人には到底考えつかないものだった。
「人や呪いって何を考えているのかわからないから好きなんだよね」
朗らかに笑う彼はどこまでも純粋で、美しかった。
「ここ、抜け道があるよ」
「足!足を狙って!」
「七海、今日体調悪い?顔色がいつもと違うけど」
『物事をあまり深く考えない』彼は謎の力で全てを見抜いてしまう。初見の場所の地理も、敵の弱点も、私の体調の変化も。その能力を惜しげもなく発揮し手を差し伸べる姿はさながら神のようだ。自分と違いすぎる存在に恐怖し、嫌いになれたらどんなに良かっただろう。その快活さ、底知れぬ明るさに救われると同時に惹かれるのは必然だった。
1011「人や呪いって何を考えているのかわからないから好きなんだよね」
朗らかに笑う彼はどこまでも純粋で、美しかった。
「ここ、抜け道があるよ」
「足!足を狙って!」
「七海、今日体調悪い?顔色がいつもと違うけど」
『物事をあまり深く考えない』彼は謎の力で全てを見抜いてしまう。初見の場所の地理も、敵の弱点も、私の体調の変化も。その能力を惜しげもなく発揮し手を差し伸べる姿はさながら神のようだ。自分と違いすぎる存在に恐怖し、嫌いになれたらどんなに良かっただろう。その快活さ、底知れぬ明るさに救われると同時に惹かれるのは必然だった。
しんした
DOODLE死後の七灰。空港で再会した時のふたりです。
236話の前にこんなことあったらいいなぁ、という幻覚です。
あの頃、僕たちはいつも一緒にいた。
教室でも寮でも任務先でも、大抵側にいる。二人きりではないことはあっても離れていることは結構珍しくて、特に一年の頃は一つ上の先輩たちから「お前らほんといつも一緒にいるよな」とよく言われたものだ。
賑やかなことが好きな僕とは違って、七海は静かな空間や時間を好む。それでも、僕らはいつも一緒に過ごしていた。
僕が持ってきたゲームに七海が付き合ってくれることもあれば、七海がおすすめしてくれた本を七海の隣で黙々と読むこともあった。同じ部屋にいるのに全く別々のことをしている時もよくあって、お互いの気配がすぐ側にあることが、当たり前のようになっていたのだと思う。
二年に上がりお互い別の人と任務に行くようになったり単独任務が入るようになると、少しずつ離れている時間が増えていった。
2890教室でも寮でも任務先でも、大抵側にいる。二人きりではないことはあっても離れていることは結構珍しくて、特に一年の頃は一つ上の先輩たちから「お前らほんといつも一緒にいるよな」とよく言われたものだ。
賑やかなことが好きな僕とは違って、七海は静かな空間や時間を好む。それでも、僕らはいつも一緒に過ごしていた。
僕が持ってきたゲームに七海が付き合ってくれることもあれば、七海がおすすめしてくれた本を七海の隣で黙々と読むこともあった。同じ部屋にいるのに全く別々のことをしている時もよくあって、お互いの気配がすぐ側にあることが、当たり前のようになっていたのだと思う。
二年に上がりお互い別の人と任務に行くようになったり単独任務が入るようになると、少しずつ離れている時間が増えていった。