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    焼肉

    com_8Ta_

    DONE【旗主】ワンドロライお題『ワンルーム』
    ※成立if
    ※社会人×社会人(一人暮らし)

    合計時間は1h40mでした。捻り出した。
    通い妻してる旗野くんが書きたかったんですけど、焼肉の件を考えると旗野くんは家事出来なそう。
    【旗主】契約更新は不要.

    住めば都。狭いながらに楽しい我が家。社会人になってから始めた一人暮らしは、なかなかに快適だった。
    チャンネル権を突如強奪されることもなく、回避したフラグを再構築するような頼まれ事をされることもない。両親の恩恵を受け自ら行う必要のなかった家事は確かに面倒ではあるが、単身者向けのワンルームの収納スペースを考えて持ち出した所持品は最低限のものだけ。必要なものがあれば、実家に取りに行けばいい。つまり、掃除洗濯も然程手間ではない。本当に厄介なのは、毎日の食事くらいだ。
    「……そう思ってた筈なんだけどなぁ」
    「なにがです?」
    狭いワンルームを改めて見渡し深く息を吐き出したところで、旗野くんが具材の煮込まれた鍋を持って廊下のキッチンスペースから顔を覗かせた。畳んだままの洗濯物が邪魔だったようで、足で退かしながら湯気の立った鍋をテーブルの上へ置く姿に、この子って意外に行儀悪いんだなぁと笑みが零れる。俺のだったら絶対しないくせに、自分の洗濯物だから余計に扱いが雑だ。
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    kikhimeqmoq

    DONEチヒ柴 2024/10/15
    柴さんお誕生日おめでとう。
    16歳のチヒロと柴さんが、柴さんのお誕生日に焼肉に行く話です。
    柴さん誕生日2024柴さんの誕生日を知ったのは東京に来てからのことだった。スピード違反で切符をきられた柴さんが、運転免許証を取り出したことで、初めて誕生日を知った。
    「今日、誕生日じゃないですか」
    「ああ、そう。知らんかったか」

    自分の誕生日はチビの頃から毎回祝ってもらっていたのに。柴さんは毎年プレゼントをくれた。蛍光色に光るスライムや、指を挟むガムのジョークグッズ、どうみてもガチャガチャで取ってきたちゃちなバッタのミニチュアなど、正直いらないものばかりだった。でも、一緒に持ってきてくれるケーキは美味しくて、誕生日の数日前から待ち遠しくてソワソワしていたのを覚えている。当日の夜になると電灯を消し、年齢分のろうそくを灯して、三人で吹き消した。いちばん張り切っていたのは父さんだったし、おそらく炎を吹き消したのも父さんの息だった。でも、そんなことはどうでも良かった。「せーの」と声を揃え、一斉に息を吸う瞬間、三人で力一杯息を吹きつける瞬間、炎が消え真っ暗になった部屋で笑い合うあの瞬間が好きだったから。もちろんケーキはすごく美味しかった。都会の味だ。父さんが半分以上欲しがったけど、そこは譲れなかったから、俺は父さんの攻撃を必死で避け、自分のケーキを守った。柴さんは煙草をふかしながら、俺たちの戦いをゆったりと眺めていた。
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