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    みやこ

    DOODLE栞作りがマイブームの妹に「これ真田くんにあげてね」と栞をたくされた幸村くん、真田が自分の育てた花を手元に置いてくれたら嬉しいな……と思って栞の裏面に花を押す(作者である妹にはちゃんと許可とった)。それを素知らぬ顔で「妹から」と手渡すと、幸村くんの予想に反して真田はすぐ花に気づいてくれて、それが嬉しくてどきどきしちゃうんだ、可愛いね〜。
    というのを説明できなくて書きました。
    ビオラ・スミレ科スミレ属「最近、妹が栞をつくるのにハマってて、弦一郎くんにも……って」
     きらめくシールと色鉛筆のイラストで彩られた紙片を幸村から差し出され、ややひるむ。可愛いが、可愛すぎる。リボンが黒なのは幸いだった。
     受け取って、なんとはなしに裏返してみるとそちらは無地で、ただ端の方にひそやかに花が押されていた。水ににじんだ絵の具のようにじんわりした淡い黄色と薄紫の花びらに見覚えがある。
    「お前の花だな」
     驚いたように幸村がぱちぱちと瞬きをし、それにあわせて長いまつ毛が揺れた。
    「知ってたの」
    「名前までは知らん。だがお前の庭で見た」
    「そっか」
     噛みしめるように幸村は言って、それからにこりと笑った。
    「ビオラ。ビオラだよ!」
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    まえにし猿棚

    DOODLEイチャイチャ×ヒルビリー×都市伝説。アメリカのど田舎のお巡りさんコンビ、40代の自分をおじさんって言うタイプの先輩×20代のスカした後輩
    【スリーピング・デューティ】オールドファッションを喰らう やる事をやって良い気分。交換した清潔なシーツに潜り込んで心地よい微睡へ身を浸そうとしていたら、場違いなほど張り詰めた声と共に肩を揺さぶられる。「今外で変な音がしなかった?」
     低く呪詛の呻きを放ちながら、マルボロはベッドから身を起こし、クローゼットからTシャツとジャージのズボンを引っ張り出した。
    「俺も行きます」
    「良いからベッドで大人しくしてろ、まだ足腰もまともに立たない癖して」
     先程まで男に体を暴かれて乱されたリグレーはすっかり疲労困憊。あれだけ泣き咽んでいた顔はまだ目も頬も幾分腫れぼったい。明日は日勤だが、この調子だと2人とも一日中欠伸を連発しなければならないだろう。

     今夜は2人でWWEの中継を観た後、もっと穏やかな、せいぜい触り合いっこ位で済まそうと思っていた。けれどこの若い情人がひしとしがみつき、甘えた様子で肩口に頬を擦り付けて来たのがいけなかった。男の四十路とはまだまだ枯れるなんて言葉とは無縁の存在だと、誘惑を受ける度にマルボロはつくづく実感する。年下の恋人を作れば若返ると言う都市伝説は、案外間違っていないのかも知れない。
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