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    No.5

    DONEお見合いをすることになった雨竜。
    全く気乗りがしない雨竜であったが、そんな雨竜の気持ちとは裏腹にお見合いはどんどん進んでいき――……

    dkmnBL限定WEBオンリー「Kaleido Masquerade」で先行公開していました宗雨のおはなしです。
    ※ストーリー第2部までのネタバレがありますのでお気を付けください。
    ※モブ(女)がかなりでしゃばります。
    俺がしているのは、お前の好きな人の話だが。【宗雨】「マズい……」

     雨竜はそんなことを呟き歩みを速くするも、もう取り返しがつかないことは分かっていた。
     これは、僕自身が選択したことだ……
     でも冷静に判断したとは言い難い。その場の流れからの咄嗟の判断だった。

    「どうしよう……」

     後々のことを考えると、とめどなく冷や汗が流れてくる。しかし……今はひとまず現状の問題をどうにかしなければならなかった。
     雨竜が後ろを確認すると、自分を追いかけてきている派手な化粧をした和服の女性が視界に入る。

    「っ……うわっ!」

     突然進行方向に現れた影にぶつかってしまい、雨竜が「すみません!」と謝って顔を上げた。そこにいた知っている顔に、雨竜は青くなっていく。
     今考えると商業地区にいたのだから会っても不思議ではないと思うが、この時はとにかく焦っていて、頭が全然働いていなかったのだ。
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    ナナシ/ムメイ

    DONEネオゲ本編後竜隼。
    あの世界の竜馬はどうして研究所離れて、二人は五年間何考えて過ごしてあの後どうしたんだろうとか。

    ネタとしては粗方見終わった直後にはあったんですが、データ二回飛ばした(主な理由)り、書こうとしては原作と根本的な軸や核が色々噛み合わなさすぎることに悩んでこんな時間かかり……。
    原典周りから色々設定引っ張りながらネオゲの本編内容ある程度組み込んでるつもりです。
    ■ もう一度、何度でも五年、という月日は短かったのか、長かったのか。

    ……さっぱりわからねえな。なにもかも。
    そう胸の中で独りごちながら、竜馬は縁側で一人煙を燻らす隼人を眺めた。
    黒いスラックスに白いワイシャツ。ネクタイが外されて見える首元に、今はあの十字架の鎖も無い。

    恐竜帝国の再侵攻、そして六年近くに渡っての戦いの決着からしばし。
    あの日、あの瞬間、中天で輝いていた太陽の代わりのように月が静かに秋の夜闇を照らしていた。
    山中にあるこの烏竜館は、今は自分達以外に人もおらず、まだ手入れの行き届いていない庭の草むらからは澄んだ虫の声が響く。
    長い脚を持て余す様に片膝を立てて縁側に腰を引っ掛け柱を背に寄り掛かる隼人の姿に、竜馬は不意にいつか早乙女研究所のバルコニーで手摺に腰掛けていたその姿を重ねた。
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