笠
satsuki470517
DONE「編笠百合(あみがさゆり)に手を伸ばし」新書メーカー全7ページ
※大正軸
※ぎゆ→→→(←)しの
※超微糖です
※編笠百合の鱗茎(りんけい、球根)には風邪や肺炎の症状を鎮める効果がある
※過去にツイ上げした作品をこちらにも再掲しました 7
dentyuyade
DONE矢野葵の21の時の話。笠田編から2年前くらいのイメージです。失踪癖のある男の、失踪先でのこと。ユーレイにつき太陽に焦がれる矢野葵という人間は二回死んでいる。別にスピリチュアルな話ではなく、有り体に言えば精神の死、というものに複数回見舞われているだけだ。齢二十一にしてそんな目に遭う謂れ何て全くないのだが、かといって怒ったり悲しんだりするほどの気力すらもう持てない。仕方がないだなんて、言いたくはないけれど。自分という存在がこうであるのは、もう諦めるほかないのだと思ってしまうくらいには矢野の人生に光が差さない。否、なまじ光が差すからこそ嫌になるのか。
「……」
生まれた大阪の街は雑然としていて、灰色で醜い。かつて智恵子は東京に空が無いと嘆いたそうだが、矢野からすれば東京よりもよっぽど大阪のほうが空が無いと思う。人工物が多いくせに、アーティファクトの美しさが微塵も存在していないのは、やはりここに渦巻く市民性というか人間の執念の影響なのだろうか。そういうところがたまらなく嫌いだ。矢野は目の前で空を大きく遮っているアパートを見上げて一つ溜息をつく。昔住んでいた家。一度目に、自分が死んだ場所。矢野は突発的に来る不愉快な逃避衝動に駆られて、自分の人生を辿ると言う自傷行為染みた試みに出ていた。アパートには当たり前に管理人なんていない。住民でない人間の行動を監視する存在もまたなく、矢野はふらふらと階段を上って五階へと黙って足を進めた。二階までの上昇になれた足はやや悲鳴をあげる。体力がないのはまあ昔からだ。ようやくついたフロアには全く見覚えのない家庭ばかりが並んでいて、そこでようやく矢野は時間の流れを理解する。十年以上経っているのに何も変わっていない方が、よっぽど異常だろう。かつて自分が開いていた扉も、まったく知らない他人の表札がかかっていた。けれど、その隣。その名を目にした途端、腹の底がぐっと冷えて、思わず足が惑う。
14333「……」
生まれた大阪の街は雑然としていて、灰色で醜い。かつて智恵子は東京に空が無いと嘆いたそうだが、矢野からすれば東京よりもよっぽど大阪のほうが空が無いと思う。人工物が多いくせに、アーティファクトの美しさが微塵も存在していないのは、やはりここに渦巻く市民性というか人間の執念の影響なのだろうか。そういうところがたまらなく嫌いだ。矢野は目の前で空を大きく遮っているアパートを見上げて一つ溜息をつく。昔住んでいた家。一度目に、自分が死んだ場所。矢野は突発的に来る不愉快な逃避衝動に駆られて、自分の人生を辿ると言う自傷行為染みた試みに出ていた。アパートには当たり前に管理人なんていない。住民でない人間の行動を監視する存在もまたなく、矢野はふらふらと階段を上って五階へと黙って足を進めた。二階までの上昇になれた足はやや悲鳴をあげる。体力がないのはまあ昔からだ。ようやくついたフロアには全く見覚えのない家庭ばかりが並んでいて、そこでようやく矢野は時間の流れを理解する。十年以上経っているのに何も変わっていない方が、よっぽど異常だろう。かつて自分が開いていた扉も、まったく知らない他人の表札がかかっていた。けれど、その隣。その名を目にした途端、腹の底がぐっと冷えて、思わず足が惑う。
流浪 @阿七おいしい
DOODLE遙か7 阿国さん市女笠にちゃんと意味があった…!芸能人!
…ってことなのか、武士が集まってるから万一にも正体バレが困るからなのか…?
髷どうしてるんやろ思たら前に傾げ気味に被ってんのね。なるほどかわいい。
描いてから気付いたわ(笑)
あと幸村さん誕生日なのね。おめでとうございます。絵は全く関係ないけどw
2022.3.8
すや🐑
DONEBye-Bye Summer Days1陣目 立ち絵+表情差分ファンブル差分については全然ファンブルに使ってくれなくていいです
図書委員/初音 咲姫-いもけんぴ
保健委員/天馬 新-ソルト
部長/八雲 和奏-鳩豆
体育委員/笠松 敦史-太郎 (敬称略) 8
流浪 @阿七おいしい
DOODLE遙か7 阿国さん線画練習もかね〜…漫画版!
旅装軽そうで可愛い。市女笠持っちゃうのも可愛い。女子かよ←
柄は適当にぽいものを素材からもってきたよ許して。
漫画マジ可愛い〜。七緒ちゃん含め現代組も仕草が可愛い。癒し。
あ、知りたいのは舞い手になった経緯ね。女姿の方も本人の話をそのまま鵜呑みにしていいのかね?
2022.1.31
dentyuyade
DONE笠田と優一の話。えっちだ…………(えっちではない)騙し騙し「優一君こんど呑み行こうや」
「へっ!?」
「俺もう笠田と呑むの飽きてきたからさぁ」
俺だってたまには可愛い年下と酒を煽りたいねん。そう本川がわざとらしく手を合わせて頼み込んできたのはいつだったか。確かのその時はすぐに笠田が間に入ってきてくれたのだが、結局優一は了承した。長らく一人で舐めるように呑んでいたものだから、わいわいと盛り上がってみたかったのだ。笠田さんも来てくれるんでしょう、と半ばおねだりするように口にすれば優しい彼が同席してくれることもよくわかっていた。優一は、笠田が酔っているところを見てみたかった。あの真面目そうで頼りになる彼の、一枚捲ったところをもっと知りたい。
「今日はちょっと遅くなるんだ。ごめんね」
6446「へっ!?」
「俺もう笠田と呑むの飽きてきたからさぁ」
俺だってたまには可愛い年下と酒を煽りたいねん。そう本川がわざとらしく手を合わせて頼み込んできたのはいつだったか。確かのその時はすぐに笠田が間に入ってきてくれたのだが、結局優一は了承した。長らく一人で舐めるように呑んでいたものだから、わいわいと盛り上がってみたかったのだ。笠田さんも来てくれるんでしょう、と半ばおねだりするように口にすれば優しい彼が同席してくれることもよくわかっていた。優一は、笠田が酔っているところを見てみたかった。あの真面目そうで頼りになる彼の、一枚捲ったところをもっと知りたい。
「今日はちょっと遅くなるんだ。ごめんね」
sima_kabe
MOURNING泣かぬ暗闇の渦見×笠原/本編後・ホラーブロック塀の向こう側 アパートから大学に行く道の途中に、派手に荒れ果てた家がある。
綺麗に立ち並んだ住宅街の角にぽつんと佇むその家は、通りがかった小学生に「お化けの住む家」と言われていた。
隣は空き地となっていて、伸びた蔓が壁を這い亀裂の入った家は、来る者を拒んでいるように見えた。玄関から庭にかけては鬱蒼とした木々が生い茂っており、窓ガラスは割れ、ぼろぼろのカーテンは引き千切られたように汚れている。
早く取り壊してしまえば良いのに、と俺はその家を見る度に思うのだが、何か事情があるのか、その家は俺がこのアパートに越してきた頃からまるで変わる様子がない。せいぜい庭の木々の様子が、四季で変化するくらいだ。
俺はなんだかその家が不気味に思え、今まであまり近づくことはなかった。
7962綺麗に立ち並んだ住宅街の角にぽつんと佇むその家は、通りがかった小学生に「お化けの住む家」と言われていた。
隣は空き地となっていて、伸びた蔓が壁を這い亀裂の入った家は、来る者を拒んでいるように見えた。玄関から庭にかけては鬱蒼とした木々が生い茂っており、窓ガラスは割れ、ぼろぼろのカーテンは引き千切られたように汚れている。
早く取り壊してしまえば良いのに、と俺はその家を見る度に思うのだが、何か事情があるのか、その家は俺がこのアパートに越してきた頃からまるで変わる様子がない。せいぜい庭の木々の様子が、四季で変化するくらいだ。
俺はなんだかその家が不気味に思え、今まであまり近づくことはなかった。