吸血鬼さんと狼男くんのお話　続き二人の身長より遥かに高く塗装が所々剥がれ落ちた重厚な扉が、鈍い音を立てて開かれる。開けたのは勿論、この屋敷の主。
彼は背後に控える少年の方へ振り返ることなく先へと進み、少年もそのまま後を着いていった。
開けっぱなしの扉を閉めずに行ってしまった吸血鬼の少年達。不用心かと思うのだが、どうやら魔法を掛けているらしい。それは一体何なのか？答えは数十秒程経った後、わかるものだった。
なんと開けたままのソレが勝手に動き閉まったのである！
……だが二人にとっては普通の光景なため、特に気にすることはなかった。

「ねールックー」
「何」
「ぼくまだ夜ご飯食べてないんだ」
「あっそ」
「何だよぉ！『あっそ』って！冷た過ぎるだろ！」
「君を甘やかすと碌でもないことになるからね」

他に行きたいところもないしⅧ　どうやら本気で怒らせたらしい。
　あんなに入り浸っていたブラッドリーが、あれ以来ぱったり訪ねてこない。すっかり二人暮らしのようになっていたのに、出て行ったきり連絡も寄越してこないのだ。お陰でベッドは広く、家は海の底のように静まり返った。
　原因はちょっとした悪戯だった。その日の夜はバイト先のレストランが普段以上に混んでいて、とにかく忙しかった。忙しい上に嫌な客も多い大外れの日だ。あちこちのテーブルで聞こえるクレームの嵐。こちら側の不手際によるお叱りは一件のみで、その他は理不尽で過剰な要求ばかり。常連客が居心地悪そうに足早に退店するのが申し訳なかった。
　這々の体で帰宅すると、玄関まで迎えにきたブラッドリーが「大丈夫かよ」とやや案じるように浴室まで運んでくれた。そのお陰で、どうにか入浴までは済ませることができたのだった。

ほうじ茶君メモほうじ茶。（本名:杠葉律希…？）
身長、体重、血液型は汚茶くんと同じ、誕生日は彼が発現した10/18
一人称:俺　二人称:お前、アンタ　

概要:汚茶くんと見た目はほぼ同じだが、肌が褐色、髪が白髪で毛先が濃い桃色、目がハイライトの無いグレーに近い青色になっている。また基本眉間にシワが寄っており、ツリ眉になっている。

発現した理由:白澤さんの「ランダムで服用者の何かが反転する」という謎の薬を汚茶くんが嫌嫌服用したところ、発現した存在。見た目だけではなく、性格も全く変わってしまっている。2週間に1度の頻度で発現する。

性格:良心がなく、他人の命のことをなんとも思っていない割には自分が死ぬのは嫌だと思っている。愛も恋も何もわからないので人とは群れない、関わらない。借りは作りたくないタイプなので、助けられたらなるべく会わない形で借りを返そうとする。（食材や料理を丁寧に風呂敷で包んでその人の家の玄関口に下げておく、その人が危険な時は助けに入るなど）