聡
BbearoneY
DONE聡狂ハジメテ物語1「好きかどうかわからんのやけど、あんたに触れたい」
その真っ直ぐな言葉に一瞬、狂児の時が止まった。
ファミレス内で他愛もない話をしていたのだ。狂児の相変わらずの軽口に淡々と、ときに切り捨てる素っ気なさで返していた聡実が急に黙り込み視線を下に落とした。どしたん?と問うた狂児に、一度視界を上げてからまた目を伏せ、すぅ、と深呼吸してから、聡実は眼鏡の奥の目を少し緊張の色で潤ませてそう言い放ったのだ。
「……ええと、んー…………触れたいて、こういう意味で?」
ぽんぽん、とテーブル越しに軽く頭を撫でる狂児の手を振り払い、聡実は目の端を少し赤くして、だから、と言葉を繰り返す。
「触れたいんです」
「触れてるやんか。 あ、なに? 昔俺にくっついてたああいう感じ? なんや聡実くん、ホームシックか〜」
1045その真っ直ぐな言葉に一瞬、狂児の時が止まった。
ファミレス内で他愛もない話をしていたのだ。狂児の相変わらずの軽口に淡々と、ときに切り捨てる素っ気なさで返していた聡実が急に黙り込み視線を下に落とした。どしたん?と問うた狂児に、一度視界を上げてからまた目を伏せ、すぅ、と深呼吸してから、聡実は眼鏡の奥の目を少し緊張の色で潤ませてそう言い放ったのだ。
「……ええと、んー…………触れたいて、こういう意味で?」
ぽんぽん、とテーブル越しに軽く頭を撫でる狂児の手を振り払い、聡実は目の端を少し赤くして、だから、と言葉を繰り返す。
「触れたいんです」
「触れてるやんか。 あ、なに? 昔俺にくっついてたああいう感じ? なんや聡実くん、ホームシックか〜」
BbearoneY
DONE聡狂【会いに(愛に)来た男】「おはよ」
「……………」
開けかけたドアを閉めてしっかりと鍵をかけ、聡実は部屋の中に戻った。外からはのんきな声が自分の名前を呼んでいる、時折控えめなノックの音も添えられて。背負ったリュックをテーブルの前に下ろすと、その隣に腰を落ち着けてスマホを取り出しトークルームを開き、無表情のまま画面をタップした。
【急になんの用ですか】
【えー、つれないやん】
【顔、見たくて】
いつもの絵文字が語尾に添えられていて、それに苛立ちを覚えた聡実は、一言だけ返すとスマホをテーブルの上に投げ出してその場に寝転んだ。
【外出られんから、はよ消えて】
間髪入れずにブブ、と振動音が聞こえた。どうせわざとらしくしおらしい言葉が並んでいるのだろう、と画面を見て、予期せぬ文面に眉を顰める。
1431「……………」
開けかけたドアを閉めてしっかりと鍵をかけ、聡実は部屋の中に戻った。外からはのんきな声が自分の名前を呼んでいる、時折控えめなノックの音も添えられて。背負ったリュックをテーブルの前に下ろすと、その隣に腰を落ち着けてスマホを取り出しトークルームを開き、無表情のまま画面をタップした。
【急になんの用ですか】
【えー、つれないやん】
【顔、見たくて】
いつもの絵文字が語尾に添えられていて、それに苛立ちを覚えた聡実は、一言だけ返すとスマホをテーブルの上に投げ出してその場に寝転んだ。
【外出られんから、はよ消えて】
間髪入れずにブブ、と振動音が聞こえた。どうせわざとらしくしおらしい言葉が並んでいるのだろう、と画面を見て、予期せぬ文面に眉を顰める。
BbearoneY
DONEハジメテ物語続き聡狂ハジメテ物語②「まって、ちょ、……もう、待っ、ま、ゃ、まてって言うてる!」
「え、なになに。 この流れやったらこのままエッチになだれ込むそれやで……まぁ、はい、なんでしょ」
部屋に入ったその途端、狂児は後ろ手でドアの鍵を締め、聡実の腰をだいて唇を重ねた。狭い玄関の三和土でもつれ合うようにして、そのまま上がり口に聡実を上にのせ倒れ込む。ぎゅ、と抱きしめて逃さないと唇を追いかけるが、難しい顔をした聡実は手で狂児の顔を押して拒否の言葉を投げかけた。お互い薄暗い室内で見つめ合って、狂児の手が緩んだ途端聡実は立ち上がり靴を脱いで床に座り込んだ男を跨いで部屋に上がる。パチン、とスイッチの音が響き、明るく照らし出された四畳半の部屋の真ん中、聡実が正座をし狂児を手招いた。
2345「え、なになに。 この流れやったらこのままエッチになだれ込むそれやで……まぁ、はい、なんでしょ」
部屋に入ったその途端、狂児は後ろ手でドアの鍵を締め、聡実の腰をだいて唇を重ねた。狭い玄関の三和土でもつれ合うようにして、そのまま上がり口に聡実を上にのせ倒れ込む。ぎゅ、と抱きしめて逃さないと唇を追いかけるが、難しい顔をした聡実は手で狂児の顔を押して拒否の言葉を投げかけた。お互い薄暗い室内で見つめ合って、狂児の手が緩んだ途端聡実は立ち上がり靴を脱いで床に座り込んだ男を跨いで部屋に上がる。パチン、とスイッチの音が響き、明るく照らし出された四畳半の部屋の真ん中、聡実が正座をし狂児を手招いた。
えんどうまめもやし
DOODLEお泊まりに来てくれた茶金時先生(@telegraph_11)と狂聡1.5ドロを夜中の1時からやったよ!お互いの壁打ちメモから引っ張り出してお題を出し合いました!!!時間測り用にブルーノマーズをかけながらワンドロしたらオシャレな気持ちになれました(PASS:小英字) 3
fuuumi_new
MOURNINGファ。軸狂児×聡実
つづきます
徹夜明けは判断鈍る言うたのに徹夜明けは判断鈍る言うたのに
「お先失礼します」
「お疲れ様です…あら岡くん、酷いクマね。帰ってちゃんとん寝た方がいいわよ」
「あぁ、えぇ?そうします」
朝のシフトに毎日入ってるこのおばさん、名前何やったっけか。週五で挨拶するだけの関係の人に気を遣われるほど僕の顔は酷いらしい。スマホに電源を入れずに画面を鏡代わりにして覗き込むも色まではわからなかった。つい、顔に液晶を近づけた時、パッと画面が明るくなった。
『東京駅着いた。今から待ち合わせんとこ向かう』
『聡実くんもうバイト終わった?』
『待たせたらごめんネ』
ポンポンポン、と連続で届くメッセージを見てメガネを浮かせてゴシゴシと目を擦った。
『今日休みなんで、ゆっくりで大丈夫です』
6039「お先失礼します」
「お疲れ様です…あら岡くん、酷いクマね。帰ってちゃんとん寝た方がいいわよ」
「あぁ、えぇ?そうします」
朝のシフトに毎日入ってるこのおばさん、名前何やったっけか。週五で挨拶するだけの関係の人に気を遣われるほど僕の顔は酷いらしい。スマホに電源を入れずに画面を鏡代わりにして覗き込むも色まではわからなかった。つい、顔に液晶を近づけた時、パッと画面が明るくなった。
『東京駅着いた。今から待ち合わせんとこ向かう』
『聡実くんもうバイト終わった?』
『待たせたらごめんネ』
ポンポンポン、と連続で届くメッセージを見てメガネを浮かせてゴシゴシと目を擦った。
『今日休みなんで、ゆっくりで大丈夫です』