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    長谷部

    いなばリチウム

    DONE2月月刊主へし「主命以上」1つ目。
    元社畜っぽい中途採用審神者と長谷部。くっついてないけどいずれくっつく二人の初期の話。
    主命以上 元社畜中途採用審神者×長谷部(主へし未満)「主命とあらばなんでもこなしますよ」

     その言葉に、イラッとした。

    「なんでも?」
    「ええ、もちろん」

     自己紹介を、と告げれば名前と共にそう言ったへし切長谷部に、俺は溜息を吐いた。途端、長谷部の瞳が不安げに揺れる。

     指示待ち人間って好きじゃないんだよなあ。いや、刀剣男士はヒトじゃないんだけど。
     何でもします、って、部下の言葉としては従順でやる気があるようで、まあ実際やる気はあるにせよ、俺からすれば楽な方へ逃げている言葉に聞こえる。言ったことだけやるんじゃなくて、自分で考えて動いてくれないと、上司としては自分の仕事が増えるばっかりだ。最近はそういう若いやつらばっかりで……と、そこまで考えてまた溜息が零れた。何もかもが急すぎて、まだ考えが現世にいた頃に引きずられている。スカウトという形で審神者に就任したのはほんの数日前のことだった。前職と桁違いの報酬に釣られたのを早くも後悔し始めている。個性、と一言で片づけるには濃すぎる面々が続き、真面目そうなのが来たかと思えば部下としては好きじゃないタイプの性格、ときたら溜息も度々出るというものだ。
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    mct_ichi

    DONE本丸3周年!審神者就3周年のお話を書いてみました。
    先日の「RT達成で普段と真逆の作風で書く」のお題を兼ねてみました。
    いろんな意味で普段と逆というか、普段やらないことをやってみましたけど、たぶん本人しか気付かない。

    自己投影型夢小説?
    完全にうちの本丸の話になります。出てくる審神者がイコール私。
    完全にうちの個体の子たちです。
    朝のエピソードそのまま書きました。
    出てくるのは笹貫と長谷部です。
    本丸3周年記念日ガラッと言葉もなく開けられた襖に長谷部は視線をやる。そこには若干いつもよりも目が据わった笹貫が立っている。

    「呼ばれてる。」
    「…呼ばれ…ああ。」

    相変わらず言葉の足りていない笹貫の言葉を汲み取り、壁にかかっているカレンダーを見て長谷部は頷く。そういえば昨日近侍を命じられなかったな、と思い出したのは今。多分に主に似て記念日というものにさして興味がないのである。
    本を置いて立ち上がれば「あのさぁ、聞いてよ。」馴れ馴れしく肩に肘を置かれた。

    「気安い。」
    「同じ本丸の仲間なんだからそう言わないでよ。」

    長谷部の拒絶などどこ吹く風で男は続ける。

    「今日ってこの本丸が出来て3年の記念日なんだろ?」
    「そうだな。」

    軽く笹貫の手を払って歩き出せば、彼は後ろからついてくる。どころか、軽く肩を組むような格好で話しかけてくるではないか。
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