隣人
hama_0291
DONEマロでリクをいただいた「お揃いのマグカップのお話」です。ひょんな事から隣人杉の家で夕飯を食べる事になったリーマン尾の話。素敵なリクありがとうございました!
お揃いのマグカップ カンッという乾いた音を立ててエナジードリンクの空き缶が転がった。その隣に置いてあったブラックコーヒーのペットボトルがドミノ倒しのように次々倒れ、静かなオフィスに大合唱を響かせた。
「チッ……」
周りの視線を少し気にしながら溜め込み過ぎていたそれらをゴミ箱へと捨てた。定時まであと二時間。自ら取りに行った仕事がその時間内に終わるという奇跡が起きるはずも無かった。
終電に乗り込み数分間揺られる。気付けばこんな生活も三年目に突入した。「どんなにキツくても好きな仕事だから続けられる」これが一般的な考えなのだろうが俺は違う。今やっている仕事が別に好きな訳ではない。ただ、自分の存在を正しく評価され認めてもらいたいのだ。去年の春、同期の中で自分だけが主任へ昇格した。悔しそうな同僚の面を見るのが楽しくて仕方なかった。その快感に変えられるものは今のところ他に無い。
5750「チッ……」
周りの視線を少し気にしながら溜め込み過ぎていたそれらをゴミ箱へと捨てた。定時まであと二時間。自ら取りに行った仕事がその時間内に終わるという奇跡が起きるはずも無かった。
終電に乗り込み数分間揺られる。気付けばこんな生活も三年目に突入した。「どんなにキツくても好きな仕事だから続けられる」これが一般的な考えなのだろうが俺は違う。今やっている仕事が別に好きな訳ではない。ただ、自分の存在を正しく評価され認めてもらいたいのだ。去年の春、同期の中で自分だけが主任へ昇格した。悔しそうな同僚の面を見るのが楽しくて仕方なかった。その快感に変えられるものは今のところ他に無い。
よるのなか
DONE3月25日開催キスブラWEBオンリー「お迎えコールを今夜も鳴らして」展示作品でした。閲覧、絵文字ありがとうございました!しぶ転記にあたりこちらも公開に戻します。特別任務で数日同居することになった恋人同士の二人と、その色々を目撃する隣人の話。
隣人視点中心のため、
・任務の内容の言及は少ない
・二人の描写に曖昧な点あり
となります。それっぽい話として雰囲気でお楽しみいただければと…。
ある研究員の、隣人観察記録 これは、僕の家の隣に数日間だけ住んでいた人達の話だ。
ほんの数日間しかいなかったけれど、毎日ひたすら研究に明け暮れて同じような日を過ごしている僕に、色々なインパクトを与えてくれた、そんな人達の話。
■一日目
年末と正月の賑やかさが過ぎ去って、少し落ち着いた頃のことだった。
ちょうど区切りが良かったのでいつもより少し早めに作業を切り上げて、少し食材を買い込んで帰宅した。小さなアパートの、一階の奥から二つ目の部屋。部屋の前まで来ると、空きであるはずの隣の部屋に、人だかりができている。皆同じ作業服だった。
「引っ越し……かな」
前の住人は僕よりもずっと年上の男性で、結婚して妻の実家に入ることになりました、と幸せそうな笑顔で挨拶をくれて退去していったのが二年前。以降はずっと空きの状態が続いていた。ついに人が引っ越してくるんだろうか。どんな人だろう。あまり煩くない人だといいけど。このアパートは見た目よりずっと耐震性や防音がしっかりしているけど(僕も時々家でも機械いじりをして少し音を立ててしまうので、防音がしっかりしているここを選んだ)、それでも度を越す音は流石に伝わってくるだろうし。
12087ほんの数日間しかいなかったけれど、毎日ひたすら研究に明け暮れて同じような日を過ごしている僕に、色々なインパクトを与えてくれた、そんな人達の話。
■一日目
年末と正月の賑やかさが過ぎ去って、少し落ち着いた頃のことだった。
ちょうど区切りが良かったのでいつもより少し早めに作業を切り上げて、少し食材を買い込んで帰宅した。小さなアパートの、一階の奥から二つ目の部屋。部屋の前まで来ると、空きであるはずの隣の部屋に、人だかりができている。皆同じ作業服だった。
「引っ越し……かな」
前の住人は僕よりもずっと年上の男性で、結婚して妻の実家に入ることになりました、と幸せそうな笑顔で挨拶をくれて退去していったのが二年前。以降はずっと空きの状態が続いていた。ついに人が引っ越してくるんだろうか。どんな人だろう。あまり煩くない人だといいけど。このアパートは見た目よりずっと耐震性や防音がしっかりしているけど(僕も時々家でも機械いじりをして少し音を立ててしまうので、防音がしっかりしているここを選んだ)、それでも度を越す音は流石に伝わってくるだろうし。
rumochi1031
DONEEW隣人組の話 回想を3人で交代して話すので難解な仕上がりになりました1人失った2人と、2人失った1人の話ここには消えない傷がある。
脈動と同じはやさで、一緒に心に流れこんでくる。
それは、冷たい日は痛くて、熱い日は重い。
静かな1人の部屋に、僕1人は寂しい。
消え去った僕の思い出は、きっと幻のように、誰にも知られず土に埋まったんだ。
***
同居人が1人いなくなって、数ヶ月が経った。
修繕の済んだ家には既に違う人間たちが暮らしていて、俺たちがあの土地へ近寄ることも無くなった。
良い風が吹く、良い場所だったと思う。
あの家を少し車で進むと、同居人の現在の住処がある。
たまに来ては、俺とマークとで近況を伝えたりしている。
近況とは言っても下らない話ばかりで、親戚にお前そっくりのガキがいてビックリしたとか、お前が好きだったあのミュージシャンが別荘で結婚式を挙げたらしいぞ、とか。
2153脈動と同じはやさで、一緒に心に流れこんでくる。
それは、冷たい日は痛くて、熱い日は重い。
静かな1人の部屋に、僕1人は寂しい。
消え去った僕の思い出は、きっと幻のように、誰にも知られず土に埋まったんだ。
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同居人が1人いなくなって、数ヶ月が経った。
修繕の済んだ家には既に違う人間たちが暮らしていて、俺たちがあの土地へ近寄ることも無くなった。
良い風が吹く、良い場所だったと思う。
あの家を少し車で進むと、同居人の現在の住処がある。
たまに来ては、俺とマークとで近況を伝えたりしている。
近況とは言っても下らない話ばかりで、親戚にお前そっくりのガキがいてビックリしたとか、お前が好きだったあのミュージシャンが別荘で結婚式を挙げたらしいぞ、とか。
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DONECoC 「406号室の隣人」KPC 氷室 霞(ひむろ かすみ)46歳 172cm 61kg
あすよ、明日よ、
死と飢とに追はれて歩くわたしは
たびたびそなたに失望する。
そなたがやがて平凡な今日に変り、
灰色をした昨日になつてゆくのを
いつも、いつもわたしは恨んで居る。
与謝野晶子『晶子詩篇全集‐明日』より
かきくけこ
PROGRESS年始にポイピク、pixivにあげた「voltage」月の隣人モブ男さん視点のお話です。月と隣人さんの出会いから月に憧れを抱く様になるエピソード、そして鯉を見かけ、その日隣から声が聞こえて・・・(←バレタイン&褌の日にあげた話のモブ男さん視点になります)と話の前半部分まで書いたのでここに投げておきます。 5255やぐり 睦九
DONE│KQ15│KQ本線さんが可愛い服を着ています。15号の気持ち的には、
「隣人への困惑」3:「嬉しさ」3:「『なんでオレ嬉しいんだろ…』という困惑」4
くらいです。
思い付きの行動で隣人を戸惑わせるKQ本線さん。
「別に怒ったりはしないから唐突に普段しないことをしても大丈夫」という
隣人への謎の信頼感があるKQ本線さん。