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    魔力

    onionion8

    TRAINING原稿やらずにまた違うの書いて…ケイアキで魔力供給の話です。フェ…の直前で終わるのでR指定ってほどのものでもない。 渇く。渇く。渇いていく。ただでさえ魔力消費の激しい宝具をアキレウスは何度も展開させている。空間を裂いて駆ける戦車。神速で叩き込む槍の一撃。しかしそれでも敵の殲滅には至らない。薙ぎ払っても轢き潰しても、魔物は絶えることなく押し寄せる。
     今はマスターからの援護でどうにか保っているが、それもおそらく限界が近い頃だろう。早く終わらせて休まなければ、共倒れという最悪の事態が待っている。いっそ撤退という選択も必要になると考えながら、アキレウスは戦場を駆ける足を止めぐるりと辺りを見回した。
     空は黎明を待つ藍色の闇が覆っている。ワイバーンや他の翼ある怪物たちがやって来ないことだけはツイてるが、地には相変わらずおぞましいほどの数の魔物が満ちていた。
     月明かりにぬめりと光る鱗模様。甘く腐った毒のにおい。話に聞くだけだった魔獣戦線とは恐らくこれに似た状況だったに違いない。一体一体はさほど脅威でないものの、群れとなり暴れる魔獣を延々相手にすることは、大海で嵐と戦うようなものだった。
     凡人であれば生き残るだけで栄誉と誇れるだろう戦場。並の英雄であれば屠った敵の数を競い合うであろう戦局。だがアキレウスは 10000

    pico_mhyk

    MOURNING魔力供給書きたかったけど力尽きた気怠い体を引きずって、ようやく帰った自室のベッドに倒れ込む。もうしばらく起き上がることなど出来ないだろう。まとまらない思考でとりあえずブーツだけ脱いで、あと、どうするんだったか。ぐらつく頭では何も考えることなど出来なかった。

     魔法舎に舞い込んでくる依頼は多岐にわたる。曰く付きの品の検分に異常現象の調査、魔法生物の捕獲もあれば、討伐もある。此度の依頼はそんな魔物の討伐だった。それ自体は難なくこなすことが出来たが、帰り道の箒の上、渡りの途中の魔法生物に遭遇してしまったのだ。
     夏季にかけて水没する南の国の一角から飛び立つ鳥のような生き物であるスチュパリデスは、人里に滅多に近付くことはないが非常に好戦的だ。しかし渡りでしか移動せず、人に害を成すこともほとんどない生物を無闇に討伐するわけにもいかない。翼も嘴も金属で出来たこの生物には剣を振るっても大した効果も得られず、慣れない空の上で魔法でいなし。ようやく潜り抜けた時には、任務で消費していた魔力の分も合わせて飛ぶのがやっとの有様だった。

     魔法使いは魔力を使い過ぎれば様々な症状が出る。冷静さを欠いて攻撃的になったり、思考がまとまらなくなっ 1245