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    魔力

    onionion8

    TRAINING原稿やらずにまた違うの書いて…ケイアキで魔力供給の話です。フェ…の直前で終わるのでR指定ってほどのものでもない。 渇く。渇く。渇いていく。ただでさえ魔力消費の激しい宝具をアキレウスは何度も展開させている。空間を裂いて駆ける戦車。神速で叩き込む槍の一撃。しかしそれでも敵の殲滅には至らない。薙ぎ払っても轢き潰しても、魔物は絶えることなく押し寄せる。
     今はマスターからの援護でどうにか保っているが、それもおそらく限界が近い頃だろう。早く終わらせて休まなければ、共倒れという最悪の事態が待っている。いっそ撤退という選択も必要になると考えながら、アキレウスは戦場を駆ける足を止めぐるりと辺りを見回した。
     空は黎明を待つ藍色の闇が覆っている。ワイバーンや他の翼ある怪物たちがやって来ないことだけはツイてるが、地には相変わらずおぞましいほどの数の魔物が満ちていた。
     月明かりにぬめりと光る鱗模様。甘く腐った毒のにおい。話に聞くだけだった魔獣戦線とは恐らくこれに似た状況だったに違いない。一体一体はさほど脅威でないものの、群れとなり暴れる魔獣を延々相手にすることは、大海で嵐と戦うようなものだった。
     凡人であれば生き残るだけで栄誉と誇れるだろう戦場。並の英雄であれば屠った敵の数を競い合うであろう戦局。だがアキレウスは 10000