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    GW

    yu_2710_

    DONE五七版GW企画
    テーマ『寝坊助』
    寝ぼけて思わずな七海と凄いものを朝から見せられた五条の話。
    https://twitter.com/yu_2710_/status/1388067989291888645?s=19
    (これをちゃんと書いたやつ)
    昔、高専内を我が物顔で歩く一匹の黒猫が居た。みんなそれを『ルドルフ』と呼んで、それなりに可愛がっていた気がする。最初、なんでルドルフなのかわからず、しかも黒猫って不吉なんでしょと親友に問うと、そういう絵本があってきっとそこから取ったんだろうと教えてもらった。呪術を学ぶ学校で洋名とは。何ともしゃれた名前を付けられたもんだなと思ったが、見かけたときには名を呼んでやった。きっと、傑と硝子、あと夜蛾セン以外は大変奇妙なものを見る目で自分を見ていたんだろうなと、そう思う。
    そのうち、初めての後輩が出来て、そいつらにも猫のことを教えてやった。同じような黒い髪の後輩は、その人懐っこさを人以外にも発揮してルドルフとずいぶん仲良くなったようだが、もう一人の金髪の後輩は猫自体が苦手なのかあまり近寄ることもしなかった。
    「何、猫怖いとか?」
    「は?違いますけど」
    「いやお前さ、俺に一回喧嘩売らないとおしゃべりできねぇの?」
    「喧嘩腰で人を馬鹿にすることが当たり前みたいな人間と普通に話をしているだけでも褒められるべきでは?」
    あと、猫は怖くありません。……苦手なだけです。
    小さく続いた声に、それ同じじゃね?と 2147