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    あもり

    DOODLE突然始まって突然終わる、シンドバットとユナンの幕間、ユナン視点。時間軸的には本編開始前のつもりです。シンドリアにふらっと遊びに来てはシンドバットのそばに居たいけどいられないことを痛感して離れる、みたいなめんどくさい猫ちゃんムーヴ的行動を何度かしてそうだなぁ〜と思いながら書きました。この2人もなかなか複雑でいいよね。
    不変「言った本人は覚えていない軽くて適当な言葉ほど、うっかり他人を救ってたり殺してたりするものさ」
     開放された窓から南国特有の生ぬるい風が流れてきて、適当に括った髪がそよぐ。僕に向き合うシンドバットの顔は無愛想のままだった。何もとって食いやしないのにと思っていると、
    「そっくりそのままお前に返してやる、ユナン」
    「……ふふふ、根に持つなぁ」
    「俺はお前と違って忘れっぽくないからな」
     わかりやすく捻くれて拗ねた事を言うものだから、思わず笑ってしまう。こんな分かりやすく、変なー警戒心と好奇心があいまぜになった顔。人間の表情筋ってこんな複雑に動くものなんだと感心する。
     それに、こんな人間的で複合的な表情はきっと自分以外にシンドバットは見せないだろう。八人将たちには甘えているからここまで警戒の色は混ざらないし、対外的には七海の覇王としての役どころと面の良さを存分に活かしている。かつて興行として舞台に立った経験も織り込んでいるはずだ。
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    slekiss

    DONEるーさんに髪を切って貰うシオンさんの話。隠し味程度の2主ルー。
    時系列的にはメインシナリオの途中(2~3の間)ぐらいを想定。

    2主:シオン・N・エルフィールド。暮らしていた孤児院を戦禍で失い、共に暮らしていた仲間と死別後、流れ流れてエンフィールドへ。その後自警団第三部隊隊長のノイマンに拾われ、育てられる。淡い亜麻色の髪、薄い鳶色の瞳。

    以上を踏まえていれば読めると思われ。
    冬隣に参る 淡い亜麻色の髪を滑る淀みない鋏の音と、切られた髪が床に落ちる音。
     きこえるのは、そのふたつだけ。
     あまりの静けさに、淡い亜麻色の髪をもつ青年はふわあと欠伸を洩らした。その拍子に頭が揺れる。
    「っ、急に動くな。まあ、ふた目と見られん頭になりたいなら話は別だが」
    「う……ごめん」
     慌てて背筋を伸ばす青年を咎めるも、海色の双眸は鋏の先をとらえたままだ。改めて仕損じがないことを確認してから、金の髪をもつ青年は再度亜麻色の髪に鋏を入れた。 
     室内が再び、鋏と髪の落ちる音に支配される。
    「それにしても…」
     鋏を器用に動かしながら、金髪の青年──ルー・シモンズが静かに問うた。
    「何故、俺なんだ?床屋なら街にいくらでもあるだろう」
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