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    ケルス

    ゆきや

    MOURNINGポイピクテキスト投稿テストを兼ねつつ、途中まで書いてた髭バソSSを供養。
    パラケルススの怪しい薬のせいで嘘がつけなくなったバソのお話でした。
    今見直したら、1部あたりの設定だったみたい。
    レクリエーションルームで「花札」なるカードゲームをマスターに教わったのが三時間前。
     慣れないゲームとはいえ、あのあどけないマスターに海賊サーヴァントたちが次から次へと負けまくったのが二時間前。
     次こそはと再戦を誓いつつ廊下で別れようとしたその時、手を振ろうと振り返ったマスターが反対側から歩いてきたパラケルススとぶつかったのが一時間前。
     マスターに一番近い位置にいたバーソロミューがマスターと入れ替わるようにして庇い、謎の液体を頭から被って昏倒したために、その場で唯一の男手という理由でデカい図体を技術部まで担がされ、やっと分析結果が出たのが、五分前。
    「……で、早い話が?」
    「思ってることがそのまま口から出るようになっちゃったみたいだね」
     技術局特別名誉顧問は身も蓋もなく述べてからからと笑った。
    「パラケルススが言うには『嘘を見破る薬』を作ったつもりでいたらしいのだけど、狙い通りの効果は得られなかったようだね。ただ、それに類する効果はあったようだ。『嘘がつけない薬』になっちゃったみたい。彼は頭から被った際に誤って少量ほど摂取してしまったのだろう。薬によって霊基が少し書き換えられたせ 1255

    kumo72783924

    PROGRESS「僕」目線。「俺」は独白調なのに対し、「僕」は『君』へ語りかけるスタイルにしてみた。月曜の朝は、いつも少し気が重い。これから退屈な一週間が始まるのかという思いと、また君に触れられなかったという後悔でいっぱいだからだろう。週末には狭い位だったこのベッドも、君が居ないと広く感じられて仕方がない。わざと大きく伸びをして、やっとのことで身体を引きずり出す。
    『すごいな。ヘッドハンティングってやつか』
     そう言って煙草に火を着ける横顔に、動揺の色を探してしまう自分が居た。一言でいい。行くなと言って欲しかった。君には僕が必要だと言って欲しかった。ただそれだけだったんだ。
     君が僕という人間を認識するずっと前から、僕は君を見ていた。艶のある黒髪の短髪に、切れ長な奥二重の目。その目がこちらに向くことを願うようになったのは、いつからだろう。
     君はいつも煙草の香りをまとっている。出会ったばかりの頃は、かなり年季の入った孤独と疲労の香りも一緒に。不器用な人なのかと思っていたけど、それは僕の思い違いだったみたいだ。仕事は滞りなく進めていたし、むしろ他人の分までこなす勢いだった。これは僕の憶測だけど、そうやって自分のキャパシティを意図的に埋めて行き、他者が入る空間を空けないようにしていたんじ 1857