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    吐息

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    DONE【蒼まど】君の香りは薔薇色吐息
    セルフバースデープレゼントに自分が好きなふたりの話を書いたやつ。元ネタは昴くんのPM。(2020/11/03)
    「さっき廊下でハンカチを拾ったんだけど、多分まどかのだと思うんだ」
    事務所で仕事をしていてたまたま耳に入った――というか、大声なので自然と耳に入った会話に、ん? と意識を向ける。向かいのデスクで仕事をしていた響也も同じ事を思ったのかその顔があがっていた。
    振り向いた視線の先には、ミーティングテーブルに座っている伊織と昴の姿が見える。昴は何かに緊張しているかのように肩をいからせて手を膝の上に置き、テーブルに置いている件のハンカチを睨んでいた。伊織も確かに、と相槌を打つ。
    「レースがついたデザインでは、女性のものだろうな」
    「でもさ!このあいだそうやってまどかに聞いてみたら、仁さんので……」
    「ほう……」
    あの伊織が息を呑んで神妙そうな表情になっていた。わからなくもない。
    本人に聞いて二度地雷を踏むのを躊躇っている男は、あ~~っと声をあげて頭を掻きつつもう一度ハンカチを睨んでいる。
    前へ向き直れば響也が肘を机につき、掌を顎を乗せて含みのある笑顔でこちらを見ていた。どう見てもこちらの出方を伺っているかのような表情を無視して声をかけようかと思った、とき。
    「あとこれ、今はわからないけど拾ったと 1486