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    天井

    10scapturebook

    REHABILI現パロエルリヴァハンでリヴァイ視点
    可もなく不可もなくな仲のエルヴィンとハンジさんがルームシェアしてる事故物件の天井裏に宿無しリヴァイが住みつく話
    リヴァイの妹がミカサちゃんでエレミカ設定あり
    *毎日15分ずつ書く練習です
    設定も何も決められなかったので、継ぎ足して書いていくので前後で矛盾したり飛んだりすると思います
    まとまったら手直ししてpixivに再upする予定です
    天井裏より愛を込めて 四月一日、ついに帰る場所がなくなった。
     多少の所持金と残高もカードもあるが出来るだけ温存したい。
     身内はいるが年内の式を前提に同棲しているので、そこへ間借りする訳にもいかない。有り難い事に義弟になる男も学生時代から慕ってくれているので、そのまま同居の形で居座っても妹も安心するだろう。しかし兄の見栄がある。見栄を張って早々に家を出たが、良い歳して実家ではなく妹夫婦の新居に転がり込むなんて、例え太陽が西から昇ってもあってはならない。
     その太陽が昨日と変わらず西へと沈もうとしている。昨日アパートの契約が切れた自分は今夜からの寝床を決めかねていた。いつもより早く桜の舞う季節が来たとはいえ、星が輝く頃になると芯まで冷える。
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    Traveler_Bone

    DOODLE旅骨は時々、真っ黒な夢を見る。
    床だけが存在していて、そこには壁も天井も何もない世界。
    そこで、旅骨は何を想うのだろう。
    生きる意味意識が右に動き、左に押され、右に引かれ。そうして、ゆらりゆらりと揺れている。海の上の船にいるわけでもなく、遊園地の乗り物に乗っているわけでもない。ただ、揺れているという感覚だけが今、唯一感じられるものだった。

    「...はぁ」

    そんな中、旅骨はうんざりとした様子で目を開ける。そこには、ただ何もない、真っ暗な空間が広がっている。黒い地面があり、天井も壁もなく、奥に見えるは黒い霧のような何か。気づけば揺れている感覚もなくなり、そこにあるのは視覚と聴覚の情報のみだ。それも、単調な。
    旅骨は昔からこの夢が嫌いだった。身体の体力が回復するまでの間、精神の体力を削らなければならないのだ。ここには剣技を練習するための武器はない。ましてや、気を紛らわせる話し相手すらいない。虚無しかない空間だった。それが、暇で暇で仕方がなかった。せめて、小石一つでもあれば楽しめたのに、と苛立つ。願ったところで、何かが起きるわけでもない。旅骨はただ一人、その虚無の空間で一人体が起きるのを待つしかなかった。
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