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    かくれんぼ

    蝋いし

    DONEガスマリ、かくれんぼ ノースの研修チーム部屋の前に、ジャクリーンが小さくなってしゃがんでいた。
     何かカウントダウンしている。
    「にーじゅうに、にーじゅういーち」
    「ジャクリーン、何してんだ?」
    「あっ、ガストちゃま!」
     ジャクリーンは両手を振って、ガストに笑顔を見せた。
     迷子になっているならまた送り届けてやるが、ノース部屋の真ん前でそれもない。昼食帰りのガストがわけを訊くと、ジャクリーンはマリオンとかくれんぼしているそうだ。
     隠れるエリアはノースの共有スペースとマリオンの部屋で、ジャクリーンはカウントダウンがゼロになったらマリオンを探しに行くと言う。あのマリオンがかくれんぼ、とガストは意外に思ったが、マリオンはジャクリーンを含めて家族のノヴァ博士たちには驚くほど柔軟だ。表情も優しい。
     ガストが誘ってもかくれんぼしてくれないだろうが、ジャクリーンは特別なのだ。
    「いいこと思いついたノ! ガストちゃまも、かくれんぼに参加するノ!」
    「えぇっ、俺? 俺が隠れられる場所、あるか……?」
    「あと二十秒ナノ! 早く早く、ナノー!」
     ジャクリーンに急き立てられて、ガストはノース部屋に入った。
     隠れる場所と 4662