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    プロシュート

    jab_kyojin

    DONEプロペシ小説「Ticket」/ペッシ視点。
    休日にプロシュート兄貴から呼び出されたペッシ。
    それも「交通手段は何であれ切符は2枚買え」と不可解なことを言われる。
    1枚分不要な切符の理由は?
    ―Ticket—


    「……」

    腑に落ちない……。
    そう思いながら、オレはバスの券売機に札を差し込んだ。

    ――スッ

    券売機が5ユーロ札をのみ込み、タッチパネルに5種類の切符が表示される。
    選ぶはバスの1回券、1.5ユーロ。それを2枚。オレの分と、プロシュート兄貴の分だ。

    「兄貴ってば無駄なこと嫌いなくせによぉ~~。もぉ~~」

    休日の今日、兄貴から電話があり、家に来いと呼び出された。しかも、『交通手段は何であれ切符は2枚買え』と意味不明なことを言う。兄貴は家にいるんだから、兄貴分の切符はいらないはずだけど、それを指摘しても『ごちゃごちゃ言うな』と一蹴するし……。
    仕事柄、突然呼び出されることには慣れているし、休日が吹き飛ぶことも気にしない。暗殺チームの〝唐突″には意味があるんだ。それは些細な任務も同じ。些細な任務、されど綿密な構成の一部。そのときには理解できないことも、任務を経て意味を知る。
    仕事はチームプレイだけど、人を殺したことのない下っ端のオレには、パズルのような世界観だ。小さな任務を1ピース、1ピースはめていき、チーム全体で暗殺というミッションをこなしていく。

    ……じ 3542

    陽炎@ポイピク

    DONE・警官プロシュート兄貴×ウェイターペッシネアポリスの一角に佇むカフェは人々が集いそれぞれ話に華を咲かせていた。
    扉が開きドアベルが鳴り響く。その音を気にしない者の方が多かったが、店主だけがその男に訝しげな視線を向けていた。
    「ペッシというウェイターを探している」
    警官の男は店主へと真っ直ぐ歩み寄るとそう淡々と告げた。
    「ペッシ?ああ、見てくれの割には良く働いてくれる奴だよ」
    警官の男の眉尻が一瞬だけぴくりと上がる。
    店主は奥で客から注文を受けている緑髪の青年を顎で示した。
    「来い。少し聞きたい事がある」
    警官の男がウェイターの目の前に立ち帽子の影に隠れた蒼眼が鋭く光る。その物々しい雰囲気に注文していた客もオーダーを忘れ息を飲んだ程だった。
    「それってどれ位かかりますか?オレ、仕事中なんすけど」
    ウェイターの青年は怯えながらも男へ返した。
    何しろイタリアの警察が声を掛ける相手はスリの犯人が多い。疑われるというのはウェイターでなくても気分のいいものではない。
    「すぐに済む」
    男の言葉にウェイターは仕方なさそうに他の従業員を呼んでエプロンを脱ぐ。騒雑するカフェの中ですらりとした体格の警官とガタイのいいウェイターの対比は酷く目立って 1793